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所長コラム番外編:第83回全国産業安全衛生大会 安全衛生教育分科会での講演

 2024年11月14日(木)に広島で開催された中央労働災害防止協会主催第83回全国産業安全衛生大会の安全衛生教育分科会にて講演を行いました。ここで簡単にその報告をさせて頂きます。

 予定されていた講師の方が逝去なさったことを受け、同じ内容で代役となる講師を探していて、産業ダイアローグ研究所の米沢宏所長からお声がけを頂き、今回の登壇機会につながりました。

 「イマドキの若者」というキャッチ―なテーマで、私はあまり「括る」ことが得意じゃないのですが、昨今は若年層のメンタルヘルス不調が問題となっていることもあり、特に世代間ギャップでZ世代とのコミュニケーションに逡巡する管理職たちに何か手掛かりとなるポイントが示せたらと思って、内容を検討しました。

 様々な資料を参照すると同時に、私自身が普段から受けている相談を振り返り、若年層に多い「やりたいことをやりたい」という思いと「失敗したくない」という思い、このふたつの思いを特徴として捉えました。そして、これらが組み合わせることで「キャリア、ハラスメント、メンタルヘルスの各訴えにつながっているのでは」と所感を伝え、このふたつの思いに対する対策の重要性と具体例をお話しさせて頂きました。

【若年層の思いの特徴】

松本桂樹「産業領域におけるパワハラの理解 ~被害者、行為者、組織の心理~」こころの科学(217),日本評論社,2021

 当日、全体では約8000名が参加していたようで、私の講演は恐らく700人以上の方が参加されていました。1時間の講演を立ち見で聞いて下さった方も多くいて、とても申し訳なく感じました。

 もともと予定していた講師の方には、きっと伝えたい思いがあったのだと思います。今回私も「自分が伝えたいことは何だろう?」と考えました。その際、やはり一番に思いついたのは、「若い人には仕事を楽しんで欲しい」ということでした。私自身、諸先輩のお陰でとても楽しく仕事をさせてもらった経験があります。今後も継続して、若年層のための対策を検討していきたいと思います。

■著者プロフィール

松本 桂樹(まつもと けいき)
ビジョン・クラフティング研究所 所長
神奈川大学 客員教授

臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士、1級キャリアコンサルティング技能士、健康経営EXアドバイザー、日本キャリア・カウンセリング学会認定スーパーバイザー、SVネット登録スーパーバイザー。