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世界メンタルヘルスデーによせて〜BTSの活躍の裏にあるメンタルケアの重要性について〜②

BTSメンバーの中でも突き抜けて明るい空気を作り、特徴的な笑い方で愛されている長男のジン。(K-POPでは年齢を重視した表現をするので一番年上のメンバーのことを長男といいます)メンバーの中で唯一、高校を卒業してからスカウトをされました。ですので歌もダンスも最年長でありながら全くの初心者からのスタートでした。他のメンバーは中高生の頃からラップ、ダンス、歌に関して才能が溢れていて元々地元でも名を馳せていた強者ばかり。
年齢での上下関係が厳しい韓国において『年上なのに年下に劣っている』というのは非常に辛かったのではないかと想像がつきます。メンバーと比較し劣等感を抱えながら苦悩していた彼が2020年にこんなメッセージをファンに送っています。

先に行く仲間たちが気になって気持ちが焦るときもありました。
ほかの人の歩みに合わせようとしたこともありますが、
息切れがして、「これは僕のペースではない」と気が付きました。
僕は、「ゆっくり行こう」と自分に言い聞かせました。
遅くても、自分のペースで歩むと決めたんです。
そのかわり、僕はほかの人たちより少し時間をかけるのが習慣になりました。
ダンスの練習をするときも、メンバーより数日前に準備を始めます。
みなさんも、新しくスタートするプレッシャーや、慣れない環境でどこへ行けばいいのか分からなくなったら、焦らず少し立ち止まってみて下さい。
もしかしたら、今この瞬間は僕たちに与えられたチャンスなのかもしれません。

このように心の中に溜め込んだ状態から、それを受け止め口に出すことができた時、新しい扉が開くのかもしれません。乗り越えてきたジンだからこそ伝わるメッセージです。

ジンは、自分は最年長ではあるけれどメンバーの中にリーダーのような役割ができるメンツがすでにいるから自分は明るく楽しませる存在でいようと年下メンバーが自分に緊張したり気を使わなくていいように振る舞う姿がとても素敵なのです。

しかし、そのように努力し変化していっても、メディアの露出や周りからの賞賛が一気に増えていき、ついに2021年にBTSが世界的に名を轟かせることになった『Dynamite』という曲で全員が夢見ていたビルボードでの1位を獲得。みるみるうちに有名になったところでまた壁にぶつかってしまいました。

成功していく人が陥りがちな兆候

充分に自分自身を認めていない状態で、自分の不足感を補うかのように頑張ることを続けていくといづれ壁にぶつかります。

どのような兆候があるかというと、例えば周りからの賞賛がいくらあったとしても自分が偽物のように感じてしまったり、燃え尽き症候群になり目標を見失ったり、自分のことをわかってくれる人はいないと必要以上に孤独感を感じ殻にこもってしまったり。

せっかく手に入れた地位や名誉もぶち壊したくなったりするようです。一般的な人だと、仕事では成功していてもプライベートで離婚、不倫などの三角関係、家族の病気、また破産、会社の不正が明るみに出るなど。そして一番最悪なパターンが自殺です。

成功を手にしているのに、その幸せや達成感を味わうことができないのです。

ジンもまたそのひとりでした。

「僕がこんな栄誉を得ていいのか? もっと音楽を愛し、才能ある人がたくさんいるのに」と考えずにいられなくて、つらくなって、すべてを手放したくなってしまいました

ジンは幸いにも、新人の頃から事務所の創業者でもあるプロデューサーが良き相談相手でした。その今の気持ちを曲にしよう、と自己探求する機会を与えられ、しっかりと受け止めてもらい自己開示ができるようサポートしてもらった結果、生まれた名曲まであります。(ここでは曲の紹介は割愛します)

2017年からBTSが発信してきた「Love myself」というメッセージは、ただのお題目ではなく彼ら自信が悩み、そのたびに自分と向き合い自分を愛し、互いに認め合ってきたプロセスなのです。

アイドルだからといってキラキラした世界だけを見せているのではなく、喧嘩も苦悩もありのままを晒している。彼らはいつも等身大です。

そして7人全員が口を揃えて言います。

『おじいちゃんになるまでずっとこの7人でBTSをやっていくのが夢』

絶対的にいつも味方でいてくれる事務所と、個々の存在をリスペクトしあえる信頼できるメンバー。そのような安心感のある環境でこそ自分を愛することができたのかもしれません。

その様な関係性は世界中の人のビジョンとなっているからこそ、国を超えて多くの人々に支持されている理由なのではないかと思います。

それでは最後に何回視聴したかわからないくらいに観た動画をどうぞ。少し落ち込んでいる時、自分を励ましたい時、なぜかわからないけど泣きたい時、そんなあなたに聞いて欲しい。

ただし、沼にハマっても知りませんからね、、、笑

おわり


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