特集「素晴らしき劇版音楽の世界」【Music-Con-Text】vol.8
「Music-Con-Text(以下MCT)」は、音楽家(音楽を作る人・歌う人)が作る新しい音楽メディアです。素敵な音楽はたくさんあるけど埋もれてしまいがちな昨今、バズっているバズってない、古い新しいに関わらず、音楽家がいいなと思った音楽を紹介する音楽メディアを目指しています。毎週月曜日夜21時更新予定。noteマガジン「Music-Con-Text」をフォローしてお待ちください。
特集「素晴らしき劇伴の世界」
今回の特集テーマは「劇伴音楽」!その名のとおり、劇の伴奏になる音楽です。あえて作品ジャンルは絞らず、映画・アニメ・ゲームなどの作品の劇伴音楽を特集しました。なかなかサブスクやYouTubeに公式で上がっているものも少ないのですが、好きな作品のCDや音源を探したりするのも、個人的にはひとつの楽しみだったりします。(なんでこの作品の劇伴はDVD買わないと聞けないねん!!!!!とかよくありますw)
今回の特集テーマは、環月イリスさん、tattoさんのアイデアから生まれました!ありがとう〜〜〜〜🍣
それでは!どうぞ!(sumeshiii)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
✏︎環月イリス の"素晴らしき劇版音楽"
どうも、環月イリスです。
今回のテーマは「劇伴特集」ということで、私が実際に聞いて感動した劇伴について紹介していきたいと思います。 紹介する曲は年代も曲の雰囲気も割と真逆を行くので楽しんでいただけたら幸いです。
エンディングテーマ/西木康智
nintendo switchで2018年に発売されたオクトパストラベラーというゲームのスタッフロールで流れる曲で、冒険の集大成!といった雰囲気がある曲です。
プレイ当時はゆっくり聞くよりクリアした興奮が大きく、曲の細部まで気にすることができなかったですが、冒険でこれまで巡ってきた大陸各地のフィールド曲をつなげたのがメインとなってる曲で、思い出がよみがえってくるような演出になっています。 そして、この曲一番の目玉である最後のメインテーマ!
メインテーマ単体でも好きなのですが、エンディングテーマでは最も盛り上がる部分をピックアップして収録されています。 メインテーマは大陸を歩くワクワク感が表現されていて、ゲームタイトル画面で何度も聞くことになる音楽になっているので、その曲でエンディングを締めるというゲーム音楽ではよくある手法ながら感動できる演出になっています。
死闘の果てに アーティスト/伊藤賢治
ゲームボーイで1990年に発売されたSa・Ga2 秘宝伝説というゲームのボス戦で流れる曲で、強敵とのバトルという雰囲気がある曲です。 リンクで紹介しているのは公式のアレンジ版ですが、私が好きで聞いてもらいたいのはゲームボーイ当時の原曲版で、ゲームボーイという楽曲を作るうえでも多重な制約を課される環境で作られた曲とは思えないほど気持ちのいい一曲となっています。
この曲はドラムパートがなく、低音がリズムをキープを兼ねていたり、音の種類の数が明確に少なかったりなど、現代の音楽にはない魅力と面白さを秘めています。
どちらの曲も自分がゲーム音楽を作っていきたいと思ったきっかけの曲でもあるので、いつか越えなくてはいけない高い高い壁として常に立ちはだかっています。
▼環月イリス の楽曲紹介
youtubeチャンネルにてオリジナル曲を公開しています。
また、最近は洞窟物語というゲームのアレンジアルバムを出すために誠意制作中です! Twitterで随時アップロードしているので見てくれると嬉しいです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
✏︎Hibiki Bison の"素晴らしき劇版音楽"
Nuovo Cinema Paradiso/Ennio Morricone
素晴らしい映画音楽はたくさんあるので迷いましたが、最近エンニオ・モリコーネのインタビュー本を買ったので、今回はモリコーネを挙げました。イタリア映画音楽といえばモリコーネ、と感じるほど、今回挙げた『ニュー・シネマ・パラダイス』の他にも『夕陽のガンマン』、『荒野の用心棒』といった数多くの映画音楽を作ってきた巨人です。
とても有名な曲なので、どこかでお聴きになった方も多いのではないでしょうか。あまりにも美しいメロディとサウンドで、自然と涙が溢れてしまいます。そして主張しすぎず、あくまでも映画音楽としての立ち位置にあると思います。個人的な意見ですが、映画にはストーリー、セリフや演技、映像構成、音楽など多くの要素が含まれているので、それらとのバランスを取るのが非常に難しいのではないかと考えられます。それぞれの要素が喧嘩しないように、巧みに交わるように、映画音楽を作るときは細心の注意が必要なのかもしれないと考えられます。そのような中、モリコーネの音楽は映像、ストーリーと強く結びつき、音楽を聴いただけで映画のシーンや思い出が溢れてくるのでしょう。
▼Hibiki Bison の楽曲紹介
水色の期待 feat.やどりりな/Hibiki Bison
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
✏︎アシノ の"素晴らしき劇版音楽"
こんにちは!ギタリスト作曲家のアシノです。
劇伴音楽特集ということで、TVアニメ「はるかなレシーブ」のサウンドトラックを紹介します。
音楽プロデュースは日本のアニメが大好きなスウェーデンの作編曲家D.Jのラスマス・フェイバー。
アニメは沖縄が舞台のビーチバレースポ根作品もので、ラテン、ブラジリアン、スパニッシュなどの要素を取り入れた南国を感じる音楽が多く、かつ現代的なサウンドでモダンジャズアルバムとしても楽しめます。
1曲目「Rise」は歌物なのですが歌を主張する感じではなく、劇中やPVのBGMでうまく使われており、出だしのピアノフレーズで一気に高まります!
スポ根ものなので試合中には戦闘曲も流れるのですが、18曲目の「Sizzle The Pits」が変拍子のいかにもボス戦といった曲で大好きです。 アニメも筋肉の描き方が素晴らしいので是非観てみてください!
▼アシノ の楽曲紹介
輪廻るセカイと罪ノ果実 feat.アキ・ローゼンタール/アシノ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
✏︎tatto の"素晴らしき劇版音楽"
日本では2012年に公開されました映画『最強のふたり』からこちらの曲を紹介したいと思います。
Una Mattina/Ludovico Einaudi
けっこう有名な映画だと思うのでお勧め欄に出たり名前を聴いたりることは多いと思いますが、以外と観たことある人は少ないかもしれないそんな映画『最強の二人』
実はを元にしたこの映画のあらすじは、首から下が不随になってしまった富豪の偏屈のおっちゃんが、住み込みの介護を失業保険目当てで落ちる気満々できたいい加減な男を雇ってやんちゃしたり、恋ばなしたりするそんなフランス映画
フランス映画特有のもの悲しさや情景描写の美しさの中で描かれる優しさにあふれたコメディー映画の最後のシーンからエンドロールへ変わる中で流れるのが「ルドヴィコ・エイナウディーのUna Mattina
ピアノ1台で奏でられるこの曲は超絶技法や特殊な構成などの小細工は無く、ひたすらシンプルに作られているが、それでも私がこの曲に弾かれるのは独特の間の使い方だと思います。
これでもかというぐらいたっぷり間を置き奏でられていて、物語の最後の複雑な感情を見事に表してるそんな楽曲です。
また『最強のふたり』のオリジナルサウンドトラック(The Intouchables (Original Motion Picture Soundtrack))にはUna Mattina以外にもルドヴィコ・エイナウディー の楽曲やEarth,Wind & FireのSEPTEMBERなどの挿入歌もされています。
そんな素敵な映画と一緒にルドヴィコ・エイナウディーの音楽をお楽しみください!!
▼tatto の楽曲紹介
最果て、その先/Ion Lithos
私が作曲しているユニット「Ion Lithos」の劇版っぽい創作言語の曲です。 全編自分で撮影しに行った渾身のMVなので是非合わせてごらんください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
✏︎Addpico の"素晴らしき劇版音楽"
初めまして!カメレオン作曲家のAddpico(アドピコ)です。
今回のテーマは「劇伴特集」ということで、映像と音楽の掛け合わせで衝撃を受けた楽曲を紹介できればと思います。
FIRST NOTE
今年上映された映画「BLUE GIANT」の楽曲です。
個人的には映画を見た後に聞いて欲しい!(10/18にブルーレイも出るそうです) 聞き方がだいぶ変わります。サウンドトラックは今でも鬼リピしてます。 映画を見るなら後に取っておいた方がいいかもしれません…紹介したいのに紹介できないジレンマ!!笑
とてもざっくりなあらすじを述べると、ジャズに魅了された主人公がテナーサックスをはじめ、バンドを組み、一流のジャズプレイヤーを目指すストーリーです。
職場の先輩が数年前にとても良いマンガと絶賛していたので存在は知っていたのですが、読めておらず映画で初めて見ました。 こんなに熱く号泣したのは久々でした…
ライブを見ているかのような臨場感、没入感…ストーリーに寄り添った音楽になっていて本当に最高です!
BBBBB★ベイビッ!!
アニメ「RELEASE THE SPYCE」の楽曲です。 個人的にはアニメの劇伴というと、生楽器の楽曲のイメージが強かったのですが、その考えを裏切られた1曲です。
僕はエレクトロ系のジャンルが大好きなのですが、まさかアニメでComplextroが流れるとは思わずテンションが上がったのを覚えています。
※Complextro:ハウスのビート+ダブステップなジャンルです(雑解説…)。 曲がかっこよすぎて劇伴目当てでアニメ見たのは初めてかもしれません… ドロップに合わせてシーンの切り替えがあり、劇伴としても心地が良い、何とも言えない感覚になりました。 他にもハッピーなドラムンベースや低音の聞いたトラップなど多様性に満ちた音楽盛り沢山で表現の新たな可能性を感じました…!!
▼Addpico の楽曲紹介
ジャンキーフードゴースト
”ジャンクフードが好きなおばけ”をイメージしたSpooky Houseです🎃👻
この時期ならではのハロウィン全開なフリーBGMとなっておりますので、ぜひ聞いて&使ってくれると嬉しいです!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
✏︎タカハシルイ の"素晴らしき劇版音楽"
タカハシルイです。
今回のテーマ『劇伴』。それは、たくさんのドラマ、映画の中で物語に寄り添いながら盛り上げ、人の感情を刺激し続けてきた素敵な音楽。
僕は久石譲さんの『人生のメリーゴーランド』を勧めたいと思います。
言わずもがな日本国民であれば誰しもが聞いたことがあるであろう『スタジオジブリ』からの作品『ハウルの動く城』の楽曲になります。
人生のメリーゴーランド
聴いて貰えるとわかると思いますが音が本当に美しいですね。映画を観ていなくとも曲を聞くだけでどこか不思議な、ワクワクが溢れてくるような雰囲気を感じ取れると思います。
このどことなく寂しげな、しかし雄大な旋律、久石譲先生ならではの音楽。 もうホント何回リピートしたかわからないくらい聴いてきました。
楽曲自体の常に緩急がある様子、音数を極端に減らして一気に視聴者を画面に釘付ける様子、狭い空間から大きな壮大な空間に出たのだろうな、と想像できる展開、楽曲全体を通して常に視聴者を離さないような工夫が随所にほどこされており、まんまとそれに何度もハマってしまいました。
久石譲先生の楽曲を紹介させて頂いたので先生の好きな言葉も一つ紹介しようとも思う。
著書『音楽する日乗』より題材「曲はいつ完成するのか?」のアンサー「締め切りがあるからそれまでに仕上げる。納得がいかなくともそれまでに帳尻を合わせる。そして気に入らなかったらまた次のチャンス(締め切り)に再度トライする。逆に言うと締め切りのないものはいつまでも完成しない。」ー音楽する日乗 191p より引用
良い言葉です。プロを感じます。
音楽家の皆さん、今日も今日とて頑張りましょう。締め切りと共に。
▼タカハシルイ の楽曲紹介
境界結歌
Vtuber警戒ブロオドキャストCHERRY さんと制作した、3Dワンマンライブ『警戒電脳奉納大祭』のメインテーマです。 僕の『好き』を沢山詰め込んだので聴いて貰えると嬉しいです!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
編集長 sumeshiiiのコラム
"サントラCDとか音源をひたすら探す旅にでることあります・・・"
僕が劇伴音楽で繰り替えし聴いたのはこちら・・・!
『おおかみこどもの雨と雪』きときと-四本足の踊り/高木正勝
この映画自体が大好きっていうのもあるんですが、うまく寝れない時にこのサントラを頭からかけてずっと聴くというのをやってたことがあります。「きときと-四本足の踊り」のようなオーケストレーションもありつつ、ピアノのスケッチのような曲もあったりして、ラフなところと濃密なところの濃淡があるような感じも好きでした。
『おおかみこどもの雨と雪』そらつつみ/高木正勝
この曲のあたたかさにも何度も救われたし涙がでました。とても美しくて、映画のストーリーの中にもある、暖かさや柔らかさ、それと同時に強さも感じて、映画と一体になった素晴らしい劇伴だなあと思います!
他にも、アニメだと藤澤慶昌さんが手掛けられている「有頂天家族」のサントラや、sakai asukaさんが音楽の「ゆゆ式」サントラあたりはCDを買って繰り返し聴いてました。
劇伴に焦点を当てると、音楽と映像のからみをその監督がどう考えてつくったかなども見えてくるような気がして、好きな作品はそうやって何度も見ていると楽しみが増えていいです!
ぜひこれを機会に劇伴音楽にも目を向けてみてはいかがでしょうか!新しい音楽と作品の見え方があると思います!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
参加したい音楽家の方、募集!
参加者募集
音楽家(楽曲制作をする人、作詞をする人、エンジニア、そして、歌う人)で、この企画に興味ある、参加してみたい、という方はぜひsumeshiiiのX(Twitter)や、Discord知ってる方はDiscordまで、ご連絡ください!運営Discordサーバーを制作しましたのでご招待します。
sumeshiiiのX(旧Twitter)はコチラ↓↓
https://twitter.com/araki_s_sumeshi
まずは1曲、特集内容にそった自分のおすすめ曲をコメントしてみるというだけでも大丈夫ですので、ぜひ参加してみてください!やってみて合わなかったら読む専に徹底しても大丈夫ですし、抜けても大丈夫です!音楽の紹介コメントって結構楽しいし、それを各自ばらばらにあるよりかはコンセプトの元にまとまってたほうがより効果があると思うのですよね・・!そんな意図もMCTにはあります。
今後の展望
今回特集記事で書いたような、楽曲紹介コメントを書いてくれるメンバーを募集して、記事を定期的に出していけるようにできたらいいな、と思っています。
そして、現在はsumeshiiiのnoteに投稿していますが、MCTに参加してくれるメンバーが増えれば、その中からご自身が編集長として各自で特集を組んでご自身のnoteで公開するという方がどんどん出てきたらいいなと思っています。(なのでnoteのマガジン機能を使います!)そうすることで、ご自身の音楽と記事を紐付けることができ、記事の閲覧者が増えるほど自身を宣伝する機会が増えていくことになると思っています。それがMCTの最大の狙いです。
さらには、ライブ配信と連動してみたり、Spotifyのプレイリストやポッドキャストの連動もしてみたいし、さらにその先はコンピレーションを作ったりなど、より広がりがある展開ができると考えています。最初は音楽家限定にしていますが、そのうち、ライターの方のコーナーやリスナーが参加する企画などもできたらいいなとも思っています。
MCTメンバープレイリスト!随時更新中!
MCTに記事を書いているメンバーのオリジナル曲プレイリストがあります!記事と合わせて楽しんでね!プレイリストはメンバーが増えると随時更新されていきます。時々チェックすると曲が増えてるかも・・・?!
Apple Music
Spotify
バックナンバー
Music-Con-Textの詳しいコンセプトや、sumeshiiiが立ち上げた理由、理念などはこちらの記事に書いてありますので、合わせて読んでみてください!
他にもこちら!
毎週 月曜日21時ごろ更新予定!マガジンをフォローしてお待ちください!