完全復活とはほど遠い再開

兵庫県の緊急事態宣言が解除され、飲食店での酒類提供が解禁された。
とはいえお酒は19時まで、店の営業も20時まで。
さらに大阪府や京都府と足並み揃えると言っていたはずなのに、なぜか兵庫県だけ土日の酒類提供禁止は継続。
完全復活とはほど遠い再開だ。

そんななか、会社の同僚と半年以上ぶりに飲みに行った。
全国の酒蔵からこれはと思ったお酒をチョイスし、好みや気分を伝えればオススメを出してくれる、頼れる店だ。

酒糀家

お酒だけでなく、この店は料理がとてもうまいのだ。
過去に何度か訪れて、毎回料理には唸らされている。
昨日はなかったが、自家製厚揚げなんて泣きそうになるほどうまい。

いつも満席で、予約していないと入れないこともある、いや、あった。
そんな店なのに、急いで行った18時には他に先客おらず、2時間の滞在中に入った客は1組1名のみ。
これにはびっくりした。

考えてみれば、皆仕事を終えて町に繰り出せるのはせいぜい18時から。
そこに19時までという制限があれば、足が向かないのは当然か。
さらに土日禁止となれば、なかなか利用できるチャンスがない。

2か月にも及ぶ宣言が明けたばかりで、どの店にも待ちわびた客が押し寄せているのでは、という勝手な思い込みがあった。
例年ならちょうど歓迎会が多い時期に、それができなかったのだから、きっとあちこちでお酒を楽しむ人たちがいるはず、と。

たしかに、駅近の気軽に入れる店には賑わいがあるようにも見えた。
が、地下でひっそり営業している昨晩のような店が元に戻るのには、まだまだ時間が必要なようだ。
本来、誰にも教えたくない店だったのだけど、昨日の惨状を見て、そんな心の狭いことを言っている場合ではないと思った。
皆がそれぞれ自分のお気に入りの店一つ二つでいいから足を運ばないと、町がどんどん死んでいく。
感染対策に気を配っていれば、むやみに恐れることはないのだから。

万事落ち着いて、細やかな日常が戻ってくることを、願わずにはおれない。

（2021/6/24記）