フワフワしたモヤモヤに包まれている
オリンピックが実質始まった。
8年前だったか、東京での開催が決まったときにこんな淋しい幕開けを予想した人がいただろうか。
もちろん感染症を抜きにしても、オリンピック自体にそもそも賛否両論あることは承知している。
それにしても、あまりにも、だ。
スポンサーのトップが参加しない開会式。
このオリンピックがこれ以上何ごともなく開催できることを祈っています、と他人事なテレビのキャスター。
浮かれているところを見せたら批判されるからという、祝祭感の自粛だ。
きっと本来は、先週頃から東京を中心に、世界から遊びに来た人たちと日本の人たちの交流が盛んに行われたことだろう。
2019年ラグビーワールドカップで、予選会場の一つだった神戸でさえ、夜遅くまでパブリックビューイングで、店で、交流が活発だったのだから。
景気回復とか国威発揚とか、そんなことはどうでもいい。
ただ、この極東の島国を目指して世界から人が集まることは純粋に嬉しいし、この国の文化を多くの人に伝えるきっかけになってほしかった。
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2025年に大阪で万博が開かれると決まって以来、関西ではどちらかというとオリンピックではなく万博に向けての目標が語られることが多かった。
まだまだ先の話と思われたその万博も、気づいてみればもうあと4年後。
ワクチン接種率の高いイギリスでまた感染爆発している様子を見れば、かなり効くとされたワクチンも疑わしい。
4年経ってもなおウイルスは蔓延している可能性は大いにあるだろう。
万博も景気回復の具にされようとしているが、そんなの興味ない。
百歩譲って祝祭感や文化交流を取り除いたオリンピックがスポーツ大会として成立するとしても、万博からそれらを取り除いたら何が残るのか。
どんな人に出会えるのか、どんな食に出会えるのか、楽しみにしているのだけれど、単なる先端技術の展示会になるのだろうか。
フワフワしたモヤモヤに包まれている。
(2021/7/23記)