久々に心を落ち着けて、楽しんだお茶
愛媛時代、全国あちこちに出向いて販売していた極上煎茶を淹れた。
完全無農薬で、過去に国際銘茶品評会で金賞を受賞した最高級のお茶だ。
昨年11月に母が亡くなったとき、子どもたちが愛媛の小中学校でお世話になった先生がお供えとして贈ってくださったのだ。
霊前からのお下がりをいただいた。
いいお茶はミニチュアサイズの茶器で淹れる。
湯呑みは30mLが入るか入らないか程度の小ささ。
宝瓶と呼ばれる柄のない急須に、茶葉はこれでもかというほどたっぷりと。
この写真でだいたい茶葉15gくらい、大さじ山盛り2杯といったところか。
お湯はまず湯呑みに注ぎ、空いた湯呑みに次々移して50℃まで冷ます。
それからおもむろに宝瓶にお湯を注ぎ入れ、静かに1分待つ。
並べた湯呑みに回し注ぎ、最後の1滴まで注ぎきったらできあがり。
茶葉が吸うので、めっちゃ湯量が減る。
できあがりは大さじ1杯もなく、一口もない。
関西、中四国のお茶は蒸しが浅いのが多く、黄色が標準。
深蒸しが好まれる関東ではお茶といえば緑色なので、東京でこのお茶を販売するときには、こんな出がらしみたいなの飲めるかとよく怒られたものだ。
で、このお茶の味わい、飲んだことのない人にはなかなか伝えづらい。
誤解をおそれず言えば、昆布茶のような。
もうグルタミン酸のかたまりなのだ。
口の中がキュゥッとなる旨さ、トロンとなる甘さ。
販売時の試飲では、これがお茶? と尋ねられることがしばしばあったが、これがお茶、なのだ。
ふだん飲んでる日本茶とはまるで別物である。
この後、少し湯温を上げ、宝瓶の中での抽出時間を短くして2煎目、さらに湯温を上げて時間を短くして3煎目…と、5煎目まで味の変化を楽しむ。
最初甘かったお茶が、だんだん渋くなり、最後には苦くなる。
これを「甘渋苦」と言う。
いいお茶はゆったりした気分でこの甘渋苦の変化を楽しむのだ。
1煎目を水から、あるいは氷から始めればだいたい10煎程度は楽しめる。
愛媛を思い、お世話になった先生を思い、亡き母を偲ぶ。
久々に心を落ち着けて、楽しんだお茶。
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娘が似顔絵を描いてくれた。
なんだか英語の教科書に出てくるマイクみたいだ。
長男の似顔絵はこちら。
これを見る限り、やたらイケメンぽい。
次男の似顔絵も描いてくれたが、掲載NGとのこと。
似てるなぁと思うのに、本人的には似てないらしい。
(2021/3/20記)
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