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山は高ければ高いほど見下ろす名所となるが、見上げる名所にもなる

昨日、2022年卒の採用面談を行い、複数の学生と話した。
面接ではなく面談だから、ほとんど雑談に近い。

一人の学生が趣味に登山を挙げた。
そこらの小高い丘に登っていい気分、というのではなく、北アルプスや中央アルプスなど、かなり本格的な登山。

面談では山の魅力をたくさん語ってくれたが、その学生の目に、当社は登ってみたい山に映っただろうか。

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登山が苦手だ。
標高が増すほどに不安な気持ちが増大する。
おまけに高所恐怖症ときているので、崖をよじ登ったり尾根を伝ったり、今こうして書いているだけで手足がむずがゆくなる。

小学から中学にかけて、林間学校と称する登山か、臨海学校と称する遠泳が毎年交互にあったが、どちらもたまらなく嫌だった。
登山なんてヘリでてっぺんまで連れてってくれればいいと思ったし、遠泳も対岸までヘリで運んでくれればいいと思った。
空想の中ではいつだってヘリが解決してくれるのだ。

自分の中で山とは、登るものではなく下から見上げるものだ。
富士山の偉容や、アルプスの連峰が町の遠くに聳える様を見るのはたまらなく好きで、ふぁーっと時間を忘れてため息が出る。
そんな愛で方でよければ、山は好きと言えるかもしれない。

ほとんどの人にとって山は、その頂に立って見下ろす瞬間より、下から見上げる時間のほうが格段に長いはずだ。
高いビルの展望台も、見下ろすためのスポットとして整備されるが、下から見上げて、何度見ても高いなぁと感心する機会のほうが圧倒的に多い。

山は高ければ高いほど見下ろす名所となるが、見上げる名所にもなる。
登山の苦手な身として、そううそぶいてみたりする。

(2021/3/11記)

チップなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!