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当たり前の制度やシステムを少し変えて

最近、エスカレーターで歩かず乗るようにとのアナウンスが多い。

確かに、歩くと危険なのはよく分かる。
しかし、見るからに階段と同じ形をしたエスカレーターは、どうぞ歩いてくださいと言っているようにも見える。
なら、ステップの高さを2段分にしてしまえばいい。
これならどんなに急いでいても、歩くのはなかなか大変だ。

男性なら公衆トイレでほぼ必ず目にする貼り紙、「もう一歩前へ」。

便器の外を汚さないよう用を足してほしいとの管理者の心の叫びだが、それを読んで、そうかと一歩前へ出る人がどれほどいるだろう。
一歩前に出たら、便器に触れてしまうではないか。
なら逆に、便器の下部分だけ一歩分手前に伸ばせばいい。

街には、あれしないで、これしないでとのポスターがあふれるが、皆がやること、やってしまうことには、それなりの理由がある。
それが危険な思いならば、そうしてみたいとはとても思えないような形に変えてみたらいいし、正当かつ切実な思いならば、当たり前の制度やシステムの方を少し変えてその思いを実現してみたらいい。

そんなふうにすれば、案外ステキな社会に変えていくのにそれほどパワーは必要ないかもしれない。

(2017/2/21記)

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