ほら人類、下ばかり見ず前向いて
地面にカラーリングで示されたレーン表示が最近やたら増えている。
たとえば駅のコンコースには、地下鉄はこっち、JRはあっち。
ホームには、降車用通路、各停待ちの列、快速待ちの列が色分け。
車道の交差点にも、こっちは高速道入口、などカラフルなレーン。
確かに分かりやすいとは思うものの、昔はそんなものなくてもなんとかなっていたはずが、いったい何が変わってこんなことになったのだろう。
高齢化社会だから? 外国人が増えたから?
いや、世の中にサジェスチョンが増えすぎたからかも。
サジェスチョンとは提案とか助言のことだが、ナビもそうだし、漢字変換の際の予測候補もそう、もっと言えば、旅行ガイドブックのモデルコースもその類い。
これにあまりに慣れすぎて、提案どおりにやっていれば大丈夫と、自力で解決する気概が弱まっている気がしてならない。
そのうち街中の歩道という歩道、車道という車道に、あらゆる目的地へのレーン表示が錯綜するようになったりして。
そしてその無数のレーンの上を、目的地に向かってゾロゾロと歩む人々の姿を想像するのも恐ろしい。
ほら人類、下ばかり見ず前向いて、自分で探して自分で解決しようよ。
(2019/10/17記)
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