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これがソワソワせずにいられようか

もうすぐ届く。
スピカさんのエッセイ集『零れ落ちた光を集めて』が、もうすぐ届く。

スピカさんはずいぶん前からフォローさせていただいているnoterさんだ。

スピカさんのnoteは、実直で優しい言葉が温かく並ぶ。
そのうえ、構成が巧みで読みやすい。
あまりにさらさらと読めるから、へたすれば淡泊にもなってしまうところだが、並べた言葉の温かさがそうはさせない。
スピカさんのnoteに引き込まれるのにまったく時間はかからなかった。

最近の記事でお気に入りはこちらだ。

メロンソーダを中心に、過去と今、他人と自分に思いを馳せるスピカさん。
キンキンに冷たいメロンソーダを包む温かな喫茶店の空気をみごとに描く。

けれどスピカさんは順風満帆ではない。
ご自身でも書かれているように、体調が優れない日が続いているそうだ。
時として深い思索の渦に巻かれてしまう。

記事の中にもポツポツと苦しみが沈んでいる。
その言葉だけを拾うことはあまりに恣意的にすぎるから、心情がはっきりと吐露されている記事を一つ紹介しよう。

書きたい文章を書くことと、他人の評価を気にして書くことの狭間で苦しむスピカさん。
そして、話は自分らしさ、他人との距離感、関係性にも及ぶ。

さらに、この記事の冒頭にあるように、スピカさんは一時期noteの無期限活動休止を決め、実際そんなつぶやき記事も投稿された。
あぁ…ついに…

noteで何をしたいのか、僕もその闇のような袋小路によく迷い込む。
だからスピカさんの苦しみも少し分かる気がするのだ。
noteをやめる決断に対し、もちろん引き留めることなどできない。
また一人、友を失うのだと覚悟を決めた。

ところが、活動休止のつぶやきの後、しばらくしてあがったこの記事に、僕は目を見張った。

集大成としてエッセイ集を刊行されるというのだ。
スピカさんが自ら編集をも手がけるという。

noteでの活動をどうするか、スピカさんの中で解決したわけではない。
その中でエッセイ集をまとめられることに僕は強い衝撃を受けた。
今スピカさんは、どんなエッセイが選ぶのか――
予約受付の報を受け、一も二もなく手を挙げた。

過去のエッセイは、もちろん今のスピカさんの気持ちとは違うだろう。
でもだからこそ、今なぜそのエッセイを選ぶのか、そこにスピカさんの今の思いが少なからず見えるはずだ。

あと数日で届くとスピカさんから連絡が入った。
これがソワソワせずにいられようか。

実直な言葉で綴られただろうエッセイ集『零れ落ちた光を集めて』。
僕は全力で受けとめるつもりだ。

(2023/8/4記)

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へんいち
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