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機械的な解決は、思いやりの余地をなくすことでもある

電車やバスの座席で、窓側を空けて通路側に座る人がいる。
おそらく自分が下りるときに出にくくなるのが面倒だからだろう。
ご丁寧に足を組み、完全に他の人の侵入を阻もうとする人までいる。

当然その奥の空席は座ろうにも座りにくく、空いたままになることが多い。
座りたい、空席もある、けれど座れないという人を生むのだから、どこに座ろうが勝手でしょでは済まされないように思う。

最初は窓側にしか座席がなく、そこに座れば通路側の座席がビローンと出てくる仕組みならいいかも。
もしそんなシステムができれば、車内が広々とするメリットもある。

とはいえ、窓側の人が先に下車したら結局通路側に人が残る。
仮にそこを何らかの複雑な仕組みを用いて解決し、座席ビローンシステムがうまく機能するようになったらなったで、今度は席を譲ろうなどという殊勝な心がけはもはや消滅する。
システムのネーミングは最低だし、これでは何も解決していない。

機械的な解決は、思いやりの余地をなくすことでもあるのだ。
人を思う気持ちがビローンと出てくる社会をこそ期待したい。

(2017/8/31記)

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