人と人をつなぐ何かをその店に見た
街の駅前にはたいていチケットショップがある。
電車のきっぷや映画のチケットを安く売っているあの店だ。
図書カードやレジャー施設の入園券、百貨店の商品券など、たまに使いそうなものも売られているから賑わっている。
ところが、いつかの出張で訪れた、駅も百貨店もない小さな町で住宅と住宅の合間にチケットショップを見つけ、ここでいったい何を売っているのかと気になって覗いてみたら、扱っているのはビール券とおこめ券だけ。
た、たしかに。
お祝いやギフトでもらって扱いに困ることもあるそうした券は、駅前でなくとも有意義に売買されているに違いない。
そもそも不要なものを欲しい人に売るのが本来のチケットショップ。
仕入れた回数券をバラして売る店を見過ぎて、感覚が狂っていた。
商売っ気とは別の、人と人をつなぐ何かをその店に見た気がした。
(2019/5/9記)
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