やはり「働いたからお金をもらう」であるべきだ
ここ兵庫県は明日、緊急事態宣言が出るらしい。
そんなん出されたら、もうもたへんわ!
悲鳴にも似た叫びはニュースからでなくとも聞こえてくる。
神戸市とその周辺市町では、今も飲食店は20時まで、酒類も19時までだ。
先日も19時きっかりに店に入ったが、お酒はもうないとお断りをされた。
それがさらに明日から、酒類提供店に休業を要請するという。
それはさすがにもたないに違いない。
休業要請に応じた店には協力金が支払われる。
本来、公権力が踏み込めない領域で半ば強制的に休業を要請するためには、この協力金が不可欠だろうことは想像がつく。
通常の売上に比べれば雀の涙とはいえ、店側もこの状況下では要請を受け入れて休業せざるを得ない。
しかし、損失は店側の売上だけにとどまらない。
休業要請を受けるのは飲食店、娯楽施設、集客施設など、ほとんどがサービス業だ。
そこで腕を振るっていたサービスのプロが、いくら期間限定とはいえ、働く場を失うというのが社会の損失でなくてなんなのか。
ただ休業を要請して店に協力金を支払うだけでいいのだろうか。
往来自粛で苦境に陥る航空会社が、社員を販売業や自治体へ出向させた。
状況が好転したらすぐにでも復帰して活躍してほしいから、あくまで臨時的に社員を外に出し、その高い接遇スキルを出向先で活かすという、出向元・出向先の両者にとってプラスになる取り組みだ。
業種は違えど、今回の休業要請で最も影響を受けると見られる居酒屋のホールスタッフだって立派なサービスのプロ。
百戦錬磨の経験は、もしかするとCAより上かもしれない。
たとえば各地で始まったワクチン接種の受付などで、こうしたサービスのプロが活躍できる場面はないものだろうか。
スペイン風邪が収束までに数年かかった歴史を思えば、2週間自粛したからといってそれで終わりとは到底考えられない。
感染者が増えたから自粛、減ったから解除、という短期サイクルの繰り返しでは、事業が成り立たなくなるのは明らかだ。
それまで仕事をしていたすべての人が、たとえ一時的に内容が変わったとしても、仕事を続けられる環境を。
「休んだからお金をもらう」という協力金は今は必要なことだけど、基本はやはり「働いたからお金をもらう」であるべきだ。
そう変えていかなければ、この状況が落ち着いた時に、いろんなところに歪みを生む気がしてならない。
(2021/4/24記)
チップなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!