今年だけが寒いか、島だから寒いか

なんでこんなに寒いん…

去年まで冬だか夏だか分からない格好を年中押し通していたのに、この冬ときたらどうだ。
タンクトップだったインナーは長袖のジジシャツに代わり、クロップドパンツから覗いていたくるぶしは長い靴下に覆われ、その下にはさらにタイツ。

今年が極端に寒いからなのか、寒風吹きすさぶ島勤務になったからなのか。
この寒さの理由はそのどちらかにしてもらいたい。
まかりまちがっても、歳をとったからというオチだけはやめてほしい。
よけいに寒くなるから。

タイツと書いた。
そう、発熱素材でできた黒いタイツ。
履いてみると、引き締まったシルエットが意外と精悍でかっこいい、と無理やり言えなくもない。

しかしこれ、まったく同じ形で同じ素材だったとしても、色が白だったらどうなるだろう。
うわ、父が冬になれば必ず履いていた股引、ズボン下、パッチの類いだ。

子供心に、これはないわ…と感じていた。
痩せ体型の父のパッチ姿は見るからに貧相で、そんな姿で家中うろうろせず早くズボンを履いて隠してほしいとさえ思った。

ひるがえって自分が履いているこのタイツ。
黒いけど、最新テクノロジーの発熱素材やけど…所詮パッチやで？
「これはないわ…」ではなかったん…

ん？　話がどんどん不利な方向へ流れてない？
このまま話を進めても、今年だけが寒いか、島だから寒いかのどちら…にも行き着かない。

何はともあれ、ただただ寒い。

（2021/12/28記）