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かわいい笑顔に包まれた、幸せな一日
昨日は久しぶりの通院日だった。
神戸・大倉山の大学病院。
3月に受けた手術はもう太古の記憶かのように霞みはじめている。
「口を大きく開けてください」
例のかわいい技工士さんが言う。
「じゃあ装具外しますね」
僕の口は手術で欠損が生じ、装具が必要になった。
これがなければ食べることも喋ることもままならない。
ひと月前に完成したその装具は僕にとって希望そのものだが、それさえあれば術前の自分に戻れるかといったらそう甘くはなかった。
でも僕はこの記事で「今日からまた新しいリハビリを始める」と書いた。
術前の自分という幻想を手放し、新たな自分を受け入れることにしたのだ。
後半生この装具が必要なら、そう心に決めるほかない。
でも人間の回復力というものは想像以上だ。
そこに、前を向く決意、調理の工夫があわさって、僕の食体験の質はめきめき向上していった。
ものによってはうーん…と感じるし、大好物の餅はきっと一生食べられないのだろうけど、もう気にしない。
「1か月使ってみてどうでした?」
僕は経過が順調なこと、でも装具が当たって痛む箇所があることを伝えた。
技工士さんはにこっと笑い、当該箇所をごく微量削る。
「つけてみますね。これでどうですか?」
ブラボー! ひと月あまりの痛みは一瞬で解消された。
まもなく僕は次の段階に移れるだろう。
手術を受けたこと、装具が必要なこと、食べにくいもの、発音しにくい音があること、そんな一切を説明しなくてもいい日は近いかもしれない。
*
病院へ行く前、noterのanwwさんと会った。
スイーツ・パンライターの卵。
日々勉強中とのことだが、最近記事につくスキが急激に増えている。
ひとえに、そそる表現力のたまものだろう。
anwwさんと会った、と書いたがもちろん偶然すれ違ったのではない。
数日前、anwwさんからスタバの新作を取材したいから、よかったら手伝ってくれないかと連絡があったのだ。
比較的近いエリアに住んでいることはお互い知っていたから。
聞いてみると僕の通院日で、時間的にも好都合だった。
元町駅で待ち合わせたanwwさんはえらくかわいい人。
僕はドキドキしながら取材を手伝った。
なんて、新作を食べて飲んで感想を言っただけだけど。
わずか1時間ほどの短い滞在だったが、フリーランス談義に花が咲いた。
何を目指し、どう仕事を見つけ、どう取り組むか。
みんな悩むところは同じだ。
anwwさんはプリプリのエビとブロッコリー、お豆さんがいっぱい入った特製トマトソースを小瓶に入れて持ってきてくれた。
わぁ!お土産?と思ったら、小瓶持って帰るから今すぐ食えと言う。
え、目の前に店員いるのに、ここマクドちゃうのに、と笑いながら食べると、うまい!
でしょ?とanwwさんも笑う。
ごちそうさま。
かわいい笑顔に包まれた、幸せな一日。
*
そのanwwさんがスタバの記事をアップされた。
僕の八面六臂の活躍はどんなふうに紹介されたかな。
ドキドキワクワク。
(2023/6/23記)
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