飽くなき探究が始まろうとしている
どうしてもカレーうどんが食べたくなった。
息子が、部活の試合のあとだったか、友だちとどこかでカレーうどんを食べてきたらしく、めっちゃうまかったという。
その話を聞いたのが半月ほど前。
そこから僕は悶々としていた。
実はカレーうどんは僕の大好物なのだ。
あぁ食べたい、食べたい!
食べたいと思ったら作るのが僕の鉄則。
しかしパラパラとネットを手繰るも、ほとんどがルーを使うレシピ。
ルーはお好きなものを使ってふつうにカレーを作りましょう、カレーライス用にたくさん作った残りでもいいですよ、それをダシで伸ばして…
いや、そんなんじゃない、そんなのを食べたいわけではない。
僕が食べたいのは、西梅田の名店〈四國屋〉のカレーうどんなのだ。
※すぐ近くに〈さぬきうどん 四國屋本店 だししゃぶと特製もつ鍋〉という紛らわしい名称の店もあるから要注意
ふつうの讃岐うどんの店だから、メニューにはきつねやぶっかけなどが並ぶのだが、どういうわけか注文の9割がカレーうどんというから驚きだ。
鰹、昆布がしっかり効いた中に、カレースパイスが香る絶妙なダシ。
歯ごたえしっかりめの玉葱と青葱、そして牛肉が存在感をアピールする。
讃岐出身の店主が3種の小麦をブレンドして打つ麺に間違いはない。
僕は新卒で入社した出版社・平凡社時代に、この店を自社刊行の書籍『カレーを食べに行こう』で知った。
この本は、嵐山光三郎や村上春樹の挿画で有名な安西水丸が中心となって編著したものだが、いずれも平凡社の社員だったから驚きだ。
おいおい、社員が勝手に本を出すんじゃない。
自由な空気の流れる出版社の風、懐かしいな。
愛媛時代に、大阪出張で足を運ぶ店の一、二を争ったのが、この〈四國屋〉とお初天神の焼売〈阿み彦〉(閉店)だった。
よく飽きもせずこの2店に通ったものだ。
くぅぅっ!
久しぶりに食べたい!
で、作ってみた。
ひゃー!
会えたで! 久しぶりに四國屋のカレーうどんやん、これ!
めっちゃうまいって、これホンマに!
ちなみに白ごはんと生卵は、四國屋のセットに倣ったものだ。
白ごはんに生卵を割り落とし、カレーだしをかけて食べるのが四國屋流。
これもうまうま、腹いっぱい!
あぁ、ごちそうさま。
ただ、とろみをどうつけるかは研究の余地あり。
今回策に窮して、小麦粉、片栗粉を少量溶いて入れたが、四國屋では粉の類いは一切入れていないというし、いかにすべきか。
飽くなき探究が始まろうとしている…
(2023/9/30記)