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今年が最後の可能性もあるだろう

昨日は次男坊の誕生日だった。

長男は下の子たちに押し出される形で親の目にも成長を感じたものだ。
ところが、次男は末っ子ゆえにずっと最年少であることに変わりはなく、いつまで経っても10歳くらいな気がしてならない。
正しくは昨日、18歳になった。
ということは、今風にいえば新成人ということになる。
早くも。

何でお祝いする?と訊けば「たっぷりのフルーツ」というからちょっと奮発してフルーツ盛りでもと思ったら続きがあって、「…が載ったケーキ」がいいという。
近くのケーニヒスクローネにフルーツたっぷりのケーキを買いに行く。

店のスタッフに、誕生日ですか?と訊かれ、そうだと答えると、ろうそくはどうされますか?と訊かれた。
僕の頭の中には、18本ものろうそくをブスブス刺されたハリネズミのようなケーキしか浮かんでこない。
決めかねて、18歳はどうするのがいいですか?と訊いてみた。
スタッフはもっと小さな子の誕生日を想像していたのか、じゅ、18ですか…とうろたえ、それなら大きいのを1本と小さいのを8本ですかね、という。

いや、買うのは4号くらいの小さなケーキ。
1+8本でも十分多い。
うーん…とまたハリネズミがちらついていると、では数本だけ飾りで立てるのは?とスタッフが助け船を出してくれ、僕はその船に乗った。
ハリネズミはついに諦めたのか、船には乗り込んでこなかった。

次男からのリクエストはもちろんケーキだけではない。
食べ盛りの高校3年生が、甘いだけのパーティーを望むわけがない。
ケーキ以外にリクエストは2つあった。

1つは久々にケンタッキーが食べたいなぁというもの。
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そしてもう1つは、もんじゃ焼きが食べたい、父さんが作るやつ、と。
誕生日にローストビーフでも寿司でもなく、もんじゃ、渋いねぇ。
関西出身の僕にもんじゃをリクエストするだなんて、ツウだねぇ。
以前作ってみたことがあったが、どうやらそれがおいしかったらしい。
くぅ、泣かせるねぇ。

かくして次男の誕生日はめでたく過ぎた。

もしかすると来年は彼もどこか遠くで一人暮らしかもしれない。
祝うのも親から彼女にスイッチするかもしれない。
そう思うと今年が最後の可能性もあるだろう。

それを知ってか知らずか、もんじゃがいいと言った次男。
渋くも、いい子に育ってくれた。

(2024/6/13記)

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へんいち
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