夏とエコバッグ
夏休みのパリはリラックスムードのファッションが多い。私が真っ先に思い浮かべるのは、超ミニのワンピースから伸びるツヤツヤでよく日に焼けた素脚にぺったんこのサンダルを履いているパリジェンヌの姿。
このスタイルは年令を問わずこれからもずっと夏のパリの街に残り続けるだろうなと思う。
一方で、肩の出たちょっぴりセクシーなロングワンピースという人もいる。ところが意外と目につくのは夏の軽い洋服に、バッグは意外と年季が入ったイカツイものを持っていたりするところだ。
今日もメトロの中でサマードレスは可愛いのになぜかバッグだけは使い古した革の表面が黒ずみ、見方によってはなんだか武器(!)みたいに凄みのあるのをたすき掛けにしているパリジェンヌを見かけた。そこでふと思ったのは、バッグって意外と無意識に持って出かけてしまうんじゃないかなぁということだ。
ついそれ一点に目が行きがちな、革の鞄とか財布といった存在感のあるモノたち。それらの存在は当たり前過ぎて、疑ったこともないくらいだ。
ただ、いくら高級なバッグでも夏の軽いワンピースには重すぎてバランスが悪いこともあるだろう。
私は最近、夏にちゃんとした革のバッグなんているだろうかと考えてしまう。
カゴとかエコバッグのほうが見た目も軽いし、サマードレスをカジュアルダウンできて私は好きだ。そのうえ夏服のようにむき出しの肩に掛ける時にも煩わしくないうえ、汗でベタつくこともない。
少し前から色や柄の種類の豊富なエコバッグの魅力に取り憑かれてしまい、今では大好きなパリのデパート、BHVで販売しているものを普通のバッグの代わりに持って出かけるようになった。
そういえば日本に行った時に見た、無印のエコバッグも全種類揃えたいくらいかわいかったなあ。見た目のオシャレさに比べて、目玉が飛び出るほど安いのもエコバッグの魅力である。
パリでもエコバッグを持っている人はすごく多い気がする。ただ、やっぱり年季が入っているものを持っている人が多い。
最近思うのは、自分の持ち物を定期的に再点検することの大切さだ。気がつくと、いつしかお気に入りのバッグや洋服も時と共に色褪せ、汚らしくなっている(どこか自分は歳を取っていることに気付かない感覚と似ている)。時が過ぎるのが速すぎて、なかなかそのことに気付けないのだ。
コットンなら汚れも目立つし洗いやすいとしても、見過ごしやすくキレイにしにくいのはバッグや靴にお財布といった革製品とか、マフラー、手袋といった冬の小物だ。
情報に追われる現代の生活の中で、私達の脳は少しでも余計なことを考えないようにとエネルギーセーブに必死かもしれない。
でもふと足を止め、当たり前だと思っていたことを疑ってみたりすることで新しい発見があるのは楽しい。これから秋冬に備えて断捨離し、自分に本当に必要なものはなにかを再検討してみようと思う。