無本番・練習日記2021年5月10日~5月16日

2021年5月10日(月)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
クロイツェル:42の練習曲
F.A.ホフマイスター:ヴィオラのための12の練習曲
音階(C-dur , ,a-moll)
 モダンもバロックも、どちらのヴィオラもケースの蓋すら開けずに丸2日。湿気と雨の多い季節でなくて本当に良かったと思う。バロックヴィオラを作ってくれた職人さん曰く、楽器をケースにしまった状態というのは湿気が籠るのだそうな。本当は楽器店がやっているように外に出しておくのが良いのだけれど、地震の多い日本の家の中でそれはあまり現実的ではない、弾けない時はケースの蓋を開けておくだけでも違う、と。
 さて練習。
 バロックヴィオラはジェミニアーニの10番~8番を後ろから順に弾いていく。何かで目にした記事の中に「ものを見る時は額で見よ」と書いてあったのを思い出し、試してみる。おでこということは前頭葉か。そういえば昔体育の先生がジャグリングは前頭葉を鍛えるのに良いと言っていた。ひょっとしたら使えるかもしれない。
 モダンヴィオラではクロイツェルの38番と23番、ホフマイスターの1番と4番、最後に運動会の整理体操のような感じで音階。終始一貫して額を意識した練習を行った。
 試した結果、おでこを意識すると楽譜に必要以上に固執せずにに済み、視野は広く保てる気がする。また音楽の流れも自分の頭の中だけで補正することなく、素直にそのままを受け入れられる時間が増えた。入ってくる情報量は、体感としては増えているのではないだろうか。
 ちなみにホフマイスターをモダンで弾いたのは数か月ぶり。やはりバロックヴィオラで弾くのとは勝手が違う。昔弾いた記憶をそのままなぞりがちなので、そこが一番の要注意ポイント。

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2021年5月11日(火)
ドヴィエンヌ:フルートとヴィオラのための6つの協奏的二重奏曲 Op.5
 バロックヴィオラのみ音出し。練習のあまり捗らない日で、ドヴィエンヌの二重奏、2番と3番の練習のみを行う。あまりの捗らなさに、何度か「小休止」と称して中断の時間も設けた。昔なら不貞寝を決め込むところだけれど、残念ながらそこまでは時間が許さず。
 楽器に触れていない時間で何らかのヒントを見出すことは少なくないので、集中力がリセットされない範囲なら音を出す以外の時間も大事。
 ふと気づいたのは、パート譜を完璧に仕上げようとしていることが、今日の弾きにくさに繋がっているのではないかということ。二人でそれぞれのパーツを持ち寄って作る二重奏なのだから、二つのパーツを繋ぎ合わせる時に当然つなぎ目はあるはずだし、埋めようにもそこは合わせでないと埋められない。仕上げられる部分には限界がある。何を一人でやろうとしていたのだろう。むしろあらゆる状況に対応できるパーツを作る方が重要なのではないか。
 つくづく、パート譜をさらうのは独りよがりになりがちで難しい。

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2021年5月12日(水)
他用のため練習お休み。

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2021年5月13日(木)
クロイツェル:42の練習曲
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
明日のレッスンの予習のため、モダンヴィオラに焦点を絞る。
クロイツェルは19番。この練習曲集は19番以降の真ん中辺りが手薄になっている。弾いた回数が比較的少ないせいもあると思うが、殊に今日は弾きづらい。こんなに形(曲)にならない、弾きづらい曲だったか。Moderatoの表示と音価に惑わされっぱなしで、2段目にして既に先の長さを憂える感情が頭をもたげる。すぐに終わらせて次へ取り掛かるつもりだったのに、結局1時間かじりついてようやく形を見ることができた。自分が弾くだけならともかく、レッスンで扱うとなるとそうはいかない。「教えることが一番の勉強になる」とはよく言ったものだ。
バッハのチェロ組曲4番Couranteも一向に捗らず。弾けなさ具合に愕然とする。弾けないということは楽譜の読み方捉え方に問題があるに相違なく、その原因を弾きながら探る。どことなく滑りがちで定まらない感じになっているのは、小節の中のそれぞれの拍を全て同列に扱ってしまっているせいなのだろう。取っ掛かりとなる拍を探すことで、譜面に書き足された様々な音楽記号に対して合点を得ることができた。
それにしても書き足された記号の多い楽譜の見づらいこと。素顔がわからないくらいまで施された化粧に似ている。整形さながらのメイクであればそれも技術の一つだが、楽譜で素顔が見えないのは不便だ。
ジェミニアーニの8番はバロックヴィオラで、文字通りの駆け足。普段より一目盛早めのテンポで一通り弾いて、終了。

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2021年5月14日(金)
ドヴィエンヌ:フルートとヴィオラのための6つの協奏的二重奏曲 Op.5
F.A.ホフマイスター:フルートとヴィオラのための3つの協奏的二重奏曲
 モダンヴィオラは仕事先で辛うじて音を出せたので、バロックヴィオラとの時間を優先する。この子、拗ねたりはしないけど自己主張はしっかりある気がする。
 フルートとの練習日程が決まって安堵したのもつかの間、1回目の合わせが来週だということに気付いたのが昨日布団に潜った後。そんな訳で今日の練習内容はフルートとの二重奏・ヴィオラパート一択となった。
 ドヴィエンヌは2番と3番。1月に動画を撮った時の反省点でもあることだが、Allegro感が出ないのは何故だろう。特に3番、のっぺりしていて面白味が無い。2番は音符の多さに助けられている感否めず。本当はどちらももっと魅力的な、キラキラした小箱のような作品のはずなのに。多分私自身が弾きづらいと思っている限りは、このままだよな。どうしたらこのヴィオラパートの魅力が表に出せるのだろう。
 疑問を抱えつつホフマイスターの二重奏2番の練習へ。途端に弾きやすくなったので驚いた。きっと私の中で、ドヴィエンヌはまだ「お顔とお名前とは知ってます。個人的にはまだ喋ったことないけど」という人なのだろう。
 そこから考えていくと、作品は弾いてるけど「顔と名前しか知らない同級生」のような作曲家が多いことに思い至る。むしろ知ってる作曲家がいるのかすら怪しくなってきたぞ。

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2021年5月15日(土)
他用のため練習は簡潔に済ます。
簡潔に済まし過ぎて練習の記憶あまりなし。
モダンの方を弾いていたのは確か。

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2021年5月16日(日)
音階(C-dur , a-moll)
クロイツェル:42の練習曲
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
 グズグズとした天気の影響か、曲を弾くという気にはなれず。基礎練習のみ。モダンヴィオラで音階を弾き、クロイツェルは20番と21番。この練習曲集の中で「ずっとトリルをやっているのがしんどい&退屈」というヴァイオリン時代の記憶が濃厚に残る場所であり、何のかんのと練習を避けてきたため一番手薄な部分でもある。大人になってから他の番号はリベンジも兼ねて練習し直していたのに、この10番台後半~20番台前半辺りまでは自分でも呆れるくらい痕跡が無い。
 レッスンの予習も兼ねて弾き直したところ、記憶とは裏腹にトリルの大変さは感じられなかった。トリルに付いた臨時記号は小さくて見づらかったけれど。あれだけ長く感じていた1ページ余りの長さも弾いてしまえばあっという間。いかなる理由でしんどく感じていたのか、思い出せればどこかで役立つかもしれない。
 バロックヴィオラに持ち替えた辺りで、滑り出しも芳しくなかった練習の効率が一気に下がる。半ば意地で(せっかく楽器も出したし)ジェミニアーニの10番を弾き始めたものの捗らず、果ては練習そのものに虚しさすら感じ始めた。切羽詰まった本番があるわけでなし、こういうときは無理しないのが肝心。今日の所は切り上げることにした。

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