ワイングラスあれこれ (スイスでワイン造ってるの? #16)
ワインは注ぐ器によって見た目だけでなく香りも変化し、ワインを楽しむ上での重要なツールと言えます。
みなさんはどのような器でワインを楽しんでらっしゃいますか?
赤用、白用、スパークリング用と揃えられている方も多いかと思います。
そこで今回はワイングラスに焦点を当てて綴りたいと思います。
スイスのワイングラス
スイスの居酒屋さんでワインを頼むとワイングラスに容量を示すラインが引かれています。
何事にも几帳面なスイス人の性格を表していますね。ちなみにビールのグラス・ジョッキにもラインが引かれています。
ちょっとおまけして欲しい時でもきちっと注がれてしまうのが残念です(笑)。
またスイスでは液体物に使われる単位が日本で通常使われるccではなくdlです。
ティチーノのワインカップ
ティチーノ州の伝統的なワインの飲み方はグラスではなく、陶器のカップに注ぎます。
このカップにも容量を示すラインが引かれています。
写真のワインカップはティチーノ州の州章にも使われている赤と青のストライプがデザインされており、ここにもティチーノの人々の郷土愛を感じられますね。
第2回のブログでも綴りましたが、ティチーノ州はメルロ品種だけで赤もロゼも白ワインも造っています(写真上はロゼ)。
スイスワインに合うグラス
ワイングラスの老舗リーデル社はぶどう品種のみならず生産地に合わせたグラスを作っていることで有名ですが、残念ながらスイスワインに特化したワイングラスは作られていません。
そこでリーデル社協力のもとワイングラス・ワークショップを開催し、弊社取扱のスイスワインがどのグラスに合うのかを色々と試してみました。
用意したワイングラス全部(写真下)からまず外すものを1/3選び、残り2/3のからさらに外すものを半分選び、残ったグラスから参加者全員で投票して決めるというステップでワークショップが進められました。
メルロの白
ティチーノ州名産のメルロで造られた白ワインにはシラー用グラス、もしくはリースリング用グラスが良く合いました。シラー用だとボリューム感があり、リースリング用だとさっぱりといただけます。
白ワインが赤ワイン用のグラスに良く合うなんて驚きですよね。
バーゼルのピノ・ノワール
樽熟成されたバーゼルのピノ・ノワールはニューワールド・ピノノワール用が良く合いました。
なんとなく無難な結果になりました。味わいからしてもブルゴーニュのピノノワール用が合うと思ってワークショップに臨みましたが、結果はニューワールド用でした。思い込みや先入観ではなく実際に試してグラスを選ぶべきという教訓にもなりました。
ティチーノの赤
メルロ100%ではなく、メルロ80%にスイス 土着品種のマルセラン15%、同じくカルミノワール5%というユニークなセパージュのティチーノの赤ワインにはカベルネ/メルロ用もしくはニューワールド・シラー用が良く合いました。前者だと黒胡椒のニュアンスを感じられ、後者だとオリエンタル感が引き立てられました。
同じワインでもグラスを変えるだけで味わいも変わりますので、みなさんのお手元のグラスで色々試してみてくださいね。