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WSET Level1:予習用講義ノート(ブドウ品種)&練習問題

これまでの記事で、WSET Level1の概要について解説しました。WSET Level1の概要について知りたい方は、こちらも是非、読んでみてください!

過去記事で分析した通り、WSET Level1の試験は品種の問題が全体の6割を占めて、品種の細かい特徴も問われます。

正直なところ、講義とテストが1日完結というフォーマットで、事前の知識が無い品種については、試験で正しく回答するのは難しいと思いました。

その品種に関する分野について、私の講義ノートを共有していきます!テキスト内容を参考にして私が独自に調べた内容も含めてまとめた、品種に関する基礎知識集です。(箇条書き部分が暗記ポイント)

最後に、知識を確認する練習問題(CBT形式)を付けました。内容を読んで、問題を解いて知識を身につけるのにお役に立てると嬉しいです!
※過去問ではありません。


ワインの味わいを構成する4要素

WSET Level1のテキストには記載がありませんが、ブドウ品種の特徴を理解する上で重要な知識があります。それがワインの味わいの4要素です。

  • 酸味

  • 果実味

  • タンニン(赤ワインのみ)

  • アルコール度数

酸味が弱い、果実味が強い、タンニンが強い、アルコール度数が強いという特徴はフルボディの方向に近づきます。
逆に、酸味が強い、果実味が弱い、タンニンが弱い、アルコール度数が弱い、という特徴はボディがライト側になります。
※酸味だけ、弱い方がボディがヘビー方向、強い方がライト方向になる点が要注意!

WSET Level1では、品種の特徴として酸味の強さ、(赤ワインは)タンニンの強さ、ボディで表現され、試験でも問われます。ここからは、それぞれの品種について、酸味、タンニン、ボディをまとめていきます。

白ブドウ品種

WSET Level1では、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、ピノ・グリージョ、リースリングの4品種を学びます。

シャルドネ

白ワインでは最もポピュラーな品種。白ワインの中では、まろやかな複雑さを持ったワイン、という印象です。世界中で栽培されていて、すっきり系からまろやか系まで、スタイルも多様です。シャンパンにも使われています。
WSET Level1では、シャルドネの白ワインについて4タイプ(冷涼な気候、温暖な気候、シャブリ、ブルゴーニュ)が紹介されています。

冷涼な気候:

  • 酸味が高い辛口の白ワイン

  • ライト~ミディアムボディ

  • リンゴ、レモンの香り

シャブリ:
ブルゴーニュの中でも冷涼な気候。シャープな味わいが特徴。

  • 酸味が高い辛口の白ワイン

  • ライト~ミディアムボディ

  • リンゴ、レモンの風味

  • 通常オーク樽は使用されない

ブルゴーニュ:
モンラッシェ、ムルソー、コルトン・シャルルマーニュなど著名な白ワインを輩出する。

  • 酸味が高い辛口の白ワイン

  • ミディアムボディ

  • レモン、モモの香り

  • オーク樽で熟成される場合がある

温暖な気候:
カリフォルニア、オーストラリアなどの温暖な地域でも栽培される。

  • 酸味が中程度の辛口白ワイン

  • ミディアム~フルボディ

  • モモ、パイナップル、バナナの風味

4種類のシャルドネ辛口白ワインの特徴を図にまとめてみました。
このように整理すると、冷涼な気候から温暖な気候にかけて、変化するのが分かりやすいと思います。

シャルドネ辛口白ワインの特徴まとめ

シャルドネ・ワインの主な生産地域:
ブルゴーニュ、シャブリ、シャンパーニュ、オーストラリア、カリフォルニア

ソーヴィニョン・ブラン

キリっとしたシャープな酸味と豊かな香りが特徴の品種。シャルドネと違い、ハーブや草系の香りがあります。サラダやレモンを絞る食べ物と相性が良く、日本の家庭料理にも合いやすいと思います。

  • 酸味が高い辛口の白ワイン

  • ライト~ミディアムボディ

  • はっきりとした強い香り

  • リンゴ、グレープフルーツ、パッションフルーツ

  • アスパラガス、青ピーマン、草

  • 通常オーク樽は使用されない

ソーヴィニョン・ブランはアスパラガス、青ピーマン、草が特徴的ですので、これらの緑色の香りや風味=ソーヴィニョン・ブラン、と回答できるように覚えておきましょう。

ソーヴィニョン・ブラン・ワインの主な生産地域:
サンセール
(フランス)、ニュージーランド

ピノ・グリージョ

フランスとイタリアで主に栽培されている品種で、フランスではピノ・グリと呼ばれます。グリージョ/グリは「灰色」という意味。

  • 酸味が中~高い辛口の白ワイン

  • ライトボディ

  • 洋ナシ、レモンの風味

  • 通常オーク樽は使用されない

ピノ・グリージョ・ワインの主な生産地域:
イタリア(イタリア以外の国でも栽培されている)

WSET Level1では、ピノ・グリージョは洋ナシが特徴的といえます。私だけかもしれませんが、ピノ・グリージョは飲む機会が少ない印象です。

リースリング

ドイツやフランスのアルザス地方など冷涼な地域で主に栽培される品種。冷涼な地域ではブドウが熟して糖度が上がるのに時間がかかるので、高い酸味を残したまま甘さを上げることができるため、辛口から甘口まで幅広いスタイルが作られています。

  • 辛口~甘口まで幅広い

  • 辛口~甘口のいずれのスタイルでも酸味のレベルが高い

  • ライト~ミディアムボディ

  • 、リンゴ、ライム、レモン、モモ、アプリコット

  • 通常オーク樽は使用されない

ドイツ:

ドイツでは甘いワイン=上級、という制度になっていたため、貴腐ワインのような甘いワインがよく作られています。近年では辛口ワインの方が人気が出ているため、ドイツでは辛口から甘口までスタイルが幅広くなっています。

  • 辛口~甘口まで幅広い

アルザス(フランス)、オーストラリア:

アルザスでは甘口は作られず、キリっとした酸のすっきりしたワインになります。オーストラリアのリースリングはアルザスよりも酸がマイルドです。

  • 辛口


黒ブドウ

WSET Level1では、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ピノ・ノワール、シラー/シラーズの4品種を学びます。

カベルネ・ソーヴィニョン

ボルドーやカリフォルニアで著名なワインが多い赤ワインの代表的な品種。赤ワインといえばカベソー、という形も多いのではないでしょうか。酸味とタンニンが両方とも強い品種です。

  • 酸味が高くタンニンが多い辛口の赤ワイン

  • ミディアム~フルボディ

  • 黒スグリ(カシス)、ブラックチェリー、青ピーマン、ミント

  • オーク樽で熟成されることがある

カベルネ・ソーヴィニョン・ワインの主な生産地域:
ボルドー、カリフォルニア、オーストラリア、チリ、南アフリカ

カベルネ・ソーヴィニョンの香りの特徴は黒スグリ(カシス)とミントです。

メルロー

カベルネ・ソーヴィニョン同様に、赤ワインの代表的な品種。カベルネ・ソーヴィニョンよりもタンニンが少なく、カベルネ・ソーヴィニョンとブレンドされることも多い品種です。

  • 酸味が中程度でタンニンが中程度の辛口の赤ワイン

  • ミディアム~フルボディ

  • イチゴ、レッドプラム、ブラックベリー、ブラックプラム

  • オーク樽で熟成されることがある

メルロー・ワインの主な生産地域:
ボルドー、チリ、カリフォルニア

ピノ・ノワール

ブルゴーニュのワインで有名な品種。有名な「ロマネ・コンティ」やDRCもピノ・ノワールから作られています。カベルネ・ソーヴィニョンとはタイプの異なる特徴で、タンニンが少なく、色も透明感があるのが特徴。シャンパンにも使われています。

  • 酸味が高く、タンニンが少ない~中程度の辛口の赤ワイン

  • ライト~ミディアムボディ

  • イチゴ、レッドチェリー、ラズベリー

  • オーク樽で熟成されることがある

ピノ・ノワール・ワインの主な生産地域:
ブルゴーニュ、ニュージーランド

シラー/シラーズ

フランスの南部で作られる品種。カベルネ・ソーヴィニョンとは違う方向性で”濃い”ワインになります。果実っぽい感じとスパイシーさがあるのが特徴。

  • 酸味が中程度で、タンニンが中程度~多い辛口の赤ワイン

  • ミディアム~フルボディ

  • ブラックベリー、ブラックチェリー、黒コショウ、リコリス

  • オーク樽で熟成されることがある

ローヌ川流域北部:

  • ミディアムボディ

  • ブラックベリー、黒コショウ

オーストラリアの温暖な地域:

  • フルボディ

  • ブラックチェリー、リコリス

WSET Level1で取り扱う赤ワインの4品種は、どれも特徴が違うので、好みや料理に合わせての見分けられると楽しいですね。

主要品種で作られるワインの特徴

ここでのワインというのは、規定されたワイン(アペラシオン)を意味します。欧州では、ワインの名称に品種や製法が規定されており、この名称のワインはこんな味、というのが分かるようになっています。

例えば、後ろにも出てきますが、シャブリ、と名前の付くワインは必ずシャルドネの辛口の白ワインです。

WSET Level1では、その代表的なものを学びます。

シャブリ

  • シャルドネ

  • 酸味が高い辛口の白ワイン

  • ミディアムボディ

  • リンゴ、レモン

サンセール

  • ソーヴィニョン・ブラン

  • 酸味が高い辛口の白ワイン

  • ミディアムボディ

  • リンゴ、草

ブルゴーニュ

白ワイン:

  • シャルドネ

  • ミディアムボディ

  • レモン、モモ

赤ワイン:

  • ピノ・ノワール

  • 酸味が高く低~中程度のタンニンを持つ辛口の赤ワイン

  • ライト~ミディアムボディ

  • ラズベリー、レッドチェリー

ボルドー

  • カベルネ・ソヴィニョンとメルローのブレンド

  • 酸味が高くタンニンが多い辛口の赤ワイン

  • ミディアム~フルボディ

  • ブラックベリー、黒スグリ

シャンパーニュ

  • シャルドネ、ピノ・ノワール

  • 酸味が高い辛口の発泡性ワイン

  • リンゴ、レモン、トースト

主要品種以外のワイン(赤ワイン)

主要品種以外が主体となるワインも出題されます。品種は問われませんが、酸味、タンニン、アルコール度数の特徴は覚えておきましょう。

ボージョレ

  • ガメイ

  • タンニンが少ない辛口の赤ワイン

  • ライトボディ

  • ラズベリー、レッドチェリー

  • オークは使用されない

コート・デュ・ローヌ

  • グルナッシュ、シラー

  • ミディアムボディ

  • イチゴ、レッドチェリー、白コショウ

シャトーヌフ・デュ・パフ

  • シラー、グルナッシュなど13種類の品種が認められている

  • アルコール度数が強い赤ワイン

  • イチゴ、クローヴ

キアンティ(イタリア)

  • サンジョベーゼ

  • 酸味が高くタンニンが多い辛口の赤ワイン

  • レッドチェリー、レッドプラム、ドライハーブ、クローヴ

リオハ(スペイン)

  • テンプラリーニョ、ガルナッチャ

  • 辛口の赤ワイン

  • ミディアム~フルボディ

  • イチゴ、ヴァニラ

主要品種以外のワイン(泡・ロゼ)

プロセッコ(イタリア)

  • グレラ

  • ライトボディの発泡性ワイン

  • 洋ナシ、花

カバ(スペイン)

  • 辛口の発泡性ワイン

  • リンゴ、レモン

ホワイトジンファンデル(カリフォルニア)

  • ジンファンデル

  • アルコールが弱い

  • 半辛口、半甘口

  • イチゴ、ラズベリー

主要品種以外のワイン(甘口・酒精強化)

ソーテルヌ(ボルドー)

  • 酸味の高い甘口の白ワイン

  • フルボディ

  • アプリコット、はちみつ、ヴァニラ

シェリー(スペイン)

  • 酒精強化ワイン

  • 辛口、半辛口、半甘口、甘口

ポート(ポルトガル)

  • 酒精強化ワイン

  • 甘口、アルコール度数が高い

  • フルボディ

  • タンニンが強い

  • ブラックベリー

CBT形式の暗記ツール(練習問題)

これまでのブドウ品種に関する知識を確認できる練習問題を作成しました。この問題で満点近くとれるようになると、WSET Level1の合格はほぼ確実だと思います!

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