見出し画像

接客について先輩が教えてこなかったこと その7 売上を作れ

僕は常々、売上を意識しない仕事は仕事ではないと考えてきました。

飲食の現場を離れた今でもその意識を持っているし、そういう姿勢を評価してくれる人の下で働いていることを望むようにしてきました。

あるバリスタの男の子が「お金を稼ぐっていうことは、それだけ社会貢献をしたのと同じだと思ってます」と言っていました。僕も同意見です。それが法に触れたり誰かを悲しませるような性質のものでなければ、お金を稼ぐということは悪ではありません。むしろ社会貢献をした証です。

稼いでいる人の反対側には、その商品を受け取って対価を払った購入者がいるのです。基本、購入者は自分で提供される商品やサービスに納得をしてお金を払います。どんなに法外な値段で取引がなされようと、当事者間での合意がなされているのであればそれは合法です。

たとえばホストの店ではワインが普通の十倍以上の値段で売られていたりします。これを買う人はホストに騙されて買うのでしょうか? 悪質なケースはもしかしたらあるのかもしれませんが、買う方も大人です。そのボトルを開ける価値を感じるから、そこにお金を払うのです。

リッツ・カールトンではコーラが1杯1000円で売られているそうです。この価格ですら通常100円ほどで売られているコーラの値段からしたらとんでもないことなのですが、それをふまえて、「では、コーラを1杯2000円で売る方法を考えよ」みたいな話を昔読んだことがあります。

僕は常に「僕が注ぐワインと、後輩のあなたが注ぐワインとを比べたら、僕の注いだワインの方が高い値段になる」と言ってきました。後輩のそれは800円の価値かもしれませんが、僕のそれは1300円になるということです。

僕はコーラを2000円で売る方法を知っています。しかもそれは、その価格でもお客様に喜ばれ感謝されるようになる方法です。

その方法を今から説明していきますが、まずは飲食業界にはびこっている誤った考えから正していきましょう。いつものことですが、本気で接客を考えていきたい人だけがこの続きを読んでください。売上を上げるというのは修羅の道ですが、身に着けることができれば世界は確実に変わります。

では、いきましょう。

「お客様に喜ばれれば売上がついてくる」は嘘

ここから先は

4,197字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?