接客について先輩が教えてこなかったこと その6 お客様の気持ちを察するな
少し前につぶやいたこのツイート。まさに表に出せないこのマガジンならではのテーマだとは思うのですが、これって概念はわかっても実践するのはめちゃくちゃ難しいんですよね。
難しい理由の一つは、人が価値を感じるものというのは人それぞれ違うからなんですが、それを大多数に向けて成功しているのがルイ・ヴィトンやエルメスといったハイブランドだったりするわけです。
飲食店はどうなのかというと、それほど永続的に価値を保ち続けている店というのはごく少数な気もします。
星つきレストランならハイブランドと言えるだろう、と考えてみたとしてもリーマンショックの影響で閉店を余儀なくされたレストランというのはありました。有名なところで言えば銀座のエノテーカ・ピンキオーリでしょうか。その店に通っていたある知人によると、閉店前の1年間は空席が目立ち、どこもかしこもお誕生日祝いの席「しか」なかったとのことです。
お誕生日祝いの席が全てそうとは言いませんが、その目的でいらっしゃる方は次回に来店するまでの期間が長いのが常です。私にも、娘さん・お母さん・お父さんの3名様のそれぞれのお誕生日にいらしてくださったケースなどもありますが、お誕生日利用の方がお誕生日以外の目的で来店することは少ないものです。
そうすると普段使いのお客様というのを飲食店は確保しなければならないわけですが、(そもそもそういう用途でしか使われないが)これが自然とできているのがサイゼリヤやガスト、マクドナルドなどのいわゆるチェーン店だと思います。
このコロナ禍の中でも、昼時になるとマクドナルドの店先には持ち帰りの商品を待つ人で溢れていました。サイゼリヤは行けてないのでわかりません。もしかしたら苦戦しているのかもしれません。それでも私の家の近くのガストは依然ほどではないにせよそれなりに客席は埋まっていますし、店内で食事をしているとテイクアウトを利用するお客様は多くみえます。
いやいや、個人店とチェーン店では業態が違うじゃないか、と言われるかもしれません。それはその通りです。単価が違うのだからそこに来る人の数も頻度も大きく変わります。
しかし個人店のダイニングバーであっても毎晩欠かさず通うお客様はいたし、高級店であっても毎月メニューが変わるたびにいらしていた方はいました。そういうお客様にお店というのは支えられているものです。
店に来店される方の○○%がリピーターになればそれは繁盛店だ、みたいな話もありますが、ここではそこまで細かい店のシステムだったり戦略だったりの話はしません。あくまでもサービスについての話をしたいので、ここでは普段使いのお客様を受け入れるために接客においてはどういうことができるのだろう、という話をしていきたいと思います。
テーマは「お客様に通ってもらうためには、お客様の気持ちを察するな」です。ではどうぞ。
「察するサービス」について考えてみましょう
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