好きな漫画が終わるのは寂しい〜おすすめのワイン漫画
好きな漫画が終わるのは、失恋にも似た寂しさがあります。
「シャンパーニュは戦いに勝った時は飲む価値があり、負けたときには飲む必要がある。」
シャンパーニュを戦いの遠征にも持っていったという愛好家ナポレオンのこの言葉は、恋愛にも同じことが言えるかもしれないな。
シャンパーニュが飲みたい。
「シャンパーニュ」という漫画が2巻で完結してしまったから。
こんにちは、ソムリエの端くれの鵜沼です。
ソムリエの資格を取った頃から漫画でもワインを勉強してきました。
新しいワイン漫画は色々チェックするんですが、シャンパーニュに特化したこれは好きでした。
シャンパーニュは歴史が深くて、名だたる芸術家との話や、シャンパーニュをとりまく逸話が面白い。
この漫画にもそういう話がたくさん出てきます。
いくらかのワインにも逸話はたくさんあるけれど、シャンパーニュにも逸話はたくさんあって、そういうのを聴きながら"頭でも飲む"ことが出来るお酒だと思う。
というよりボクたち伝える側がそうしていかなきゃなって思う。
専門書はシャンパーニュのスペック(出処や詳しいデータなど)は学べるけれど、周辺のエピソードはあまり詳しく書かれたものは見つけるのが難しい。
でも漫画はそういうエピソードを伝えてくれるし、画で覚えられるから助かるんです。
お客さまに「このシャンパーニュはこういう畑で、こう作られて…」と伝えても学校の授業みたいでつまらないだろうっていつも思ってて。
漫画で覚えることはボク自身も覚えやすいし楽しいし、お客さまにとっても「とりまくストーリー」の方が印象に残ると思うし、そういう引き出しはソムリエとして”ない”よりは”ある”方がいい。
シャンパーニュの楽しみ方もお客さまによって違うと思うから、色々なお客さまと楽しく会話ができるための知識として必要だとボクは思う。
あまり馴染みがないかもしれないけど、ワイン漫画って結構あります。
この「シャンパーニュ」の原作を書いている城アラキさんの「ソムリエ」「新ソムリエ 瞬のワイン」「ソムリエール」は主人公とは別に、各話に登場する人物の人生と重ね合わせたワインが楽しいんです。
ワインはもちろん、もてなす(サービスをする)上でも勉強になります。(「ギャルソン」というサービスマンを描いた漫画も好きです。)
そのほかに、ワインの銘醸国フランスでも翻訳され、2009年にはヨーロッパ最大級の漫画の祭典といわれるアングレーム国際漫画祭で紹介されたほか、
パリで行われた「グルマン世界料理本大賞」では最高賞の「殿堂入り」を獲得し、韓国でも200万部を売り上げた漫画もあります。
それが「神の雫」。
元々大好きだったんですが、原作の亜樹直(アギタダシ)さんとお会いして、ワインへの造詣と想いも深く、すごくフレンドリーで益々大好きになりました。
ワインと、それを飲んだ時の心象風景を表現した漫画で、その表現が豊かで詩的かつ芸術的で素晴らしいんです。
違った視点からワインに触れる「怪盗ルヴァン」も異色で好きなんですが、
続編の「マリアージュ 神の雫最終章」では食事との相性も加わり、ワイン会のテーマをマリアージュにしているボクとしては、料理とワインの組み合わせを全部試したくなるような漫画です。
マリアージュも最終章だけあって終わりが決まっていると思うので、名作に続く新しいワイン漫画に期待しています。
失恋した時のような寂しく悲しい想いの時のワインも、これらの漫画から学んだことを引用するとしたら
この「シャトー・シャス・スプリーン」を選ぶかな。
「憂いを払う」という意味だから。
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