クライアントワーク、最初の1歩に注意したいそのワード(その2)
さて、その1ですが本題はこちら側かと思っております。
実際にお仕事を個人で請けている場合でも、会社でも問わずによく聞くのがこのフレーズ。
その2:以前のデザイナーさんと連絡が取れなくなって
はて・・・まず、お仕事の打診が来た時にこのフレーズを伺ったこちらが抱く印象は「なぜ!?」という疑問。
これが「以前のフリーのデザイナーさんが忙しくて頼めない」とか「価格が見合わないと断られた」とか、なんならなら「以前頼んでいた人が廃業した(退職した)から」とかだったとしたら、非常に納得が行くのです。
ですが「連絡が取れない」というこの不可思議さ。
連絡すらも取れないということは、普通の状況なら考えられるのはこの1つ。
・本人がいきなり消息不明になった
しかし、そんなにフリーのデザイナーさん、ぼこぼこと消息不明になったり事件に巻き込まれてたりする話は聞かないわけです。
となると考えられるのは、下記のどちらか?となってくる。
・以前のデザイナーさんに連絡したくない言い訳
・以前のデザイナーさんに連絡を拒否されている
これはどちらも「うちは地雷クライアントですよ」という宣言にもつながってしまうので、たとえ実際がこうであっても、「消息不明で連絡が取れなくなった」以外では使わないほうが良いと思われる理由ですね・・・。
何しろ聞かされたこちらも心穏やかでお話を聞くことができません。
そして、その他にも後から判明する現実的な理由としてはこのあたりとなりそうです。
・全部任せきりだった自社の担当者が情報を残さず退職した
・前回依頼時にデザイナーと揉めているため連絡を取りたくない
・前回はクラウド系サービスで依頼したので直接連絡が取れない
どちらにしても・・・地雷の香りが残ってしまいます。
というか、これ以外の事態で「連絡が一切取れない」状況が見いだせないのです(経験上)。
ですので、「連絡が取れなくなった」発言は、発注側クライアントの立場になった場合でも、「拒否された」や「依頼を請けてもらえない」「条件が合わないので別の人を探している」以上に外注先に悪いイメージを与えるだけというのはお見知りおきを頂きたいところです。
だって、今回請けた場合に気に入らなかったら自分も「こいつとは連絡が取れなくなったから次のを探すぜ!」ってことにされてしまう仕事になってるんで・・・。
大体このワードが出てきたクライアントのお仕事は、引き受けた後もマトモに進まないことも多く、なおかつ「今回限り」のことも非常に多いので、個人となった場合は背景や事情まで詳しくしっていてさらに納得できるというようなクライアントの場合を除き、警戒体制を敷きつつお話を聞く形になりがちです。
ごくごくごくごく稀にですが、実際に「デザイナーが納品前に連絡を取れなく状態にして居なくなった」ってのは遭遇したことはあるにはありますので、どっちがとは言いづらいのですが、まぁほんとにこのパターンは非常に非常に珍しいので・・・。
※クラウド系からの直接取り引きに持ち込んでたりなんていうグレーな場合と、SNSやネット経由で請けて連絡先がメールと電話しか知らなかった、てののパターンだけしか聞いたことありません。
※普通は受注時にデザイナー側の個人情報は開示しているはず(電話/住所/本名や屋号、会社名など)なので、完全に連絡が取れなくなることは不幸事を除いてないわけです
その3:予算が無いんですが・・・
まぁ私くらいになりますと(!?)結構このフレーズをお伺いしているわけです。
もちろん、ご予算の範囲は伺います。なぜなら、予算の範囲の中でのできうるものでご提示したいと思っているので。
ついでに言うと、予算想定の『できればこの価格だとありがたい』と『頑張ったら出せる価格』の両方を提示頂けるとありがたいところです。下限側の価格内に収まるようにしたくても、要求がそれを上回ってしまう場合は上限額がわからないと省く内容の選定もできないってわけでして。
なお、「見積もりで希望額を伝えたら上限いっぱいで請求される」と思っている方も結構多くいらっしゃいますが、たしかにそういう業者さんはたくさんいます。いますが、私は上限額以下でできる分は範囲以下に収める、をモットーとしていますので。
オーバーしてしまう部分は自分の技術料の方でカバーしていけばいいんですよ(もちろん、サービスはぜひやりたい!と思ったお仕事に限る)。
かと言って、本当に「常識はずれの低価格をご希望」はさすがに困るわけです。見えない技術料をゼロ換算される方も実際多くいらっしゃいます。
例えば「プレゼンに使う、製品のアプリモックを作って欲しい。今はデザイン途中なので概要資料だけ渡すから読み解いてほしい。あと、なる早納期で、パターンはプレゼン先ごとに必要なので5パターンに展開して!」なんてのがあったとします。(※実際に似た感じのはよく来る)
先方の希望額は「1万円」でした。
こちらの想定される作業内容としては、全然見合ってないわけですね。
クライアントの希望額についての理由は「デザインはもう半分以上あるから」でした。
資料を読み解き、データの再現でまる1日。さらに不足分のデザインや機能を追加して、動作できるようにするのに1日。検証してまず1つめ完了、クライアントチェックで1日。
ここから、5パターンに展開させるため、差替箇所の検証とリストアップをして4パターン展開からの漏れがないかの検証で1〜2日。
手前の作業が「なる早」希望だとしたら、おそらく深夜帯も関わらず作業を詰め込むため普通では「特急料金」なるものが加算される。
約5日+特急料金くらい掛かってしまうわけですね。
1人日が3万円程度と過程した場合でも、(3万円×5日)+特急料金4割増=21万円。
さて、この必要な作業内容と特急料金の話をしました。
デザインがあるから、模写するだけでOKてな話ではないし、もとの会社さんに了承を取っているかどうかも確認してほしいわけでして。
どうなったかというと。
「社内の人間で行います」
後日聞いた話では、結局社内では完全にできず、さらに作業を行っていたもとのシステム会社には他でデザインだけ流用してプレゼンモックを作る話は聞いてないと激怒され、最終的にそこの会社に別用途としてデザインも追加で依頼したがために間に合わず紙媒体でのプレゼンをしたと。
こちらが提示した以上の追加料金となった模様。
だから言ったじゃないですかーーー。
「もとの依頼先の了承は得ていますか?」
「うちが依頼してるから大丈夫、うちがOKだすから大丈夫!」
著作権というのがあるので、だいじょばないのですよ。
こわいわ。
とは言え、このワードの場合は「一旦はお話を聞く」ことはしたほうがいいと思っています。先方の中では予算がない場合でも、内容的にはそれほど大変ではなく、予算内でご提供できる場合もありえるから、です。
そんなこんなで、初動時にクライアントから出てくるワードで気をつけたいもの3個をお届けしました。
きっとまだ他にもあったはず(今は思い出せない)なので、そのうち思い出したら続編行います。