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お酢好きが未来のためにできること
「これからの展開は?やっぱりお店をだすことですか?」
ある日の取材で最後に言われた質問。
私は答えることができなかった。
お酢を仕事にしたいと思って、お酢やお酢×発酵料理の研究を始めて5年ほど経つ。
すっぱうまいお酢が世の中にあり、いろんな料理に使える「のむ、かける·つける、まぜる」の3ステップをSNSやnoteで発信している。
はじめの頃、お酢を勉強したいと思ったが、何せ文献がすくない。発酵の資格を取ればいいかと思ったが、お酢以外に当時興味がわかなかった。
ならば造り手さんに聞こうと始まった、全国のお酢屋さんを巡る『お酢旅』。
仕事をしながら、運転できない私がいく自力の旅。
毎月も行けないが、今年で3年目になった。
日本には、世界にない数のお酢がある。
そして、お酢がただ酸っぱい調味料ではないことを
知った。
健康面はもちろん、調理効果、私はやらないが掃除などの効果もある。様々な良い面をもった発酵調味料がお酢以外であるだろうか。
世の中、料理好きさんも多いが広くみると料理をしなくなっている傾向があるようだ。短時間で簡単に美味しくできる調味液が増えている。
それをお酢だと思ってる人も多い。とても残念でならない。
造り手さんの想い聞かせてもらっている私としては、伝統製法のお酢のすっぱうまい味を一人でも多くの人に知ってほしいと思う。
伝統製法だとわかりやすいのが、酢酸菌入りのお酢。このお酢はろ過してないので、濁っている。
最近の研究でこの酢酸菌にも効果があることがわかった。お酢はすごい。
伝統製法を続けるうえで、容器は問わないところも
お酢ならではかもしれない。
「お酢がどうなったら、嬉しいの?」と聞かれたとき「醤油や味噌󠄀にこだわりを持つように、皆さんに自分が譲れないお酢があったら嬉しい」と答えた。
どのお酢でも構わないが、伝統製法で作られているお酢も知った上で選んでほしい。
そのためには、お酢の素晴らしさを説得力もって届けられる人に私はなりたい。
そして、伝統製法を守り続けているお酢屋さん達と
長期的なムーブメントを起こしたい。
草の根活動だが、続けていく先に見えてくるものがあるはず。
その時に、やっと質問にこたえられるかもしれない。