青い空が見える
青い空が見える。
空が暗くなってくると、「あ、そろそろ家に帰らなきゃ」と体が自然に家へ向かうような感じがする。
9時前に日の出を迎え、15時には暗くなるスウェーデンの冬、明るい空が見える時間は短い。昼であってもどんよりと曇った空だったり、さらさらと乾いた雪の降る空だったり。
瞳に映る世界がぱっと明るくなるような空はあまり見られない。
白い雪、灰色の空、深い青緑の湖に張った氷。
そんな時、素朴で美しいはずの街が、とても寂しく見えてしまうのだ。
体は元気なのだが、何となく心がふさぎ込んでしまう。
だからこそ家の中でろうそくを灯したり、暖かい色のランプをつけたり、心の灯りまで消えてしまわないようにする気持ちがよく分かるようになった。
そんな日々の中で、突如現れた澄み切った青い空の1日。
「青空だ。」
街が深い冬の眠りから覚めてくる気配。思いっきり手を伸ばして、瞼を閉じて、溢れる光に近づきたくなる。
春夏秋冬どの季節でも青い空が見える日本の日々はなんと贅沢だったのだろう。
青い空が見える世界は、こんなにも清々しくて美しい。
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