見出し画像

喪失と病気の先に見えた光:愛犬の死とリウマチを通じて感じた癒しのプロセス

愛犬との別れは、私の人生を劇的に変えた。
愛犬を失った悲しみは、心身に深い影響を与え、やがてリウマチの発症へとつながった。
単なる「愛犬を失ったショック」だと思い、自分がいわゆるペットロス症候群になるとは思ってもいなかった。

関節リウマチの診断を受けた時の衝撃は今でも鮮明だ。
医師から「完治しない病気だから、生涯薬を飲み続ける必要がある」と告げられた時のショックは計り知れなかった。

毎日の服薬が新たなストレス源となり、飲み忘れへの強迫観念に悩まされた。

そういう様々な要因が重なり、仕事にも影響を来たし、仕事も辞めた。

リウマチの症状が悪化する中、未来は暗闇に包まれているように感じ、深まる孤独感と心の沈みを経て、ようやく自分がペットロスの状態にあることを自覚したのだった。

この気づきは、自己の感情や健康状態の変化を認識することの重要性を教えてくれた。

しかし、ペットロスを認識したからといって、心身の不調が回復するわけでもない。
喪失感による自分でコントロールできない様々な症状、リウマチの進行により、「お先真っ暗」の状態が続いた。

手指のひどい関節痛、膝、足指...  衣類の脱ぎ着、シャンプーも辛い、ドアの開け閉め、箸を持てない、スマホも持てない、この日常生活さえまともに送れない辛い時期は、黒い渦に巻き込まれて一生抜け出せないような日々だった。

そして、その絶望感と同時に何とかして出口の光を見出そうともがく自分。

自己と向き合い、内省する貴重なきっかけとなった。

他者との出会いがもたらした希望の光


一つの転機は、ある知人を通じてリウマチ患者の方と出会ったことだった。
互いの症状や治療法について語り合う中で、「私は一人じゃない」という安心感を得た。その方の減薬の話を聞き、自分にもできるかもしれないという希望が芽生えた。

この「他者との交流」を通じて、自分の病気や症状への理解が深まり、状況をコントロールできるという「自己効力感」が高まった。心理学者アルバート・バンデューラが提唱したこの概念は、困難な状況に立ち向かう勇気を与えてくれた。

そして、潜在意識の重要性に気がついたことや、西先生が自分の力で自己免疫疾患を寛解したという話も、私に大きな前向きの力を与えてくれた。

学びと感情の言語化がもたらした癒し

リウマチと向き合う過程で、愛犬の喪失についても深く理解したいという欲求が生まれた。ペットロスに関する専門知識を学び始め、それを自分の経験に重ね合わせることで、混乱していた思考が整理されていった。

感情を言語化し、学びを通して自己理解を深めることは、「カタルシス効果」をもたらした。この心理的プロセスにより、心に溜まっていたストレスや苦しみが解放され、感情が浄化されていったと思う。

結果として、心の重荷が徐々に軽くなり、未来への希望が見えてきた。自分の状態を正確に理解し、苦しみを言葉にできたことで、次の一歩を踏み出す力を得ることができた。

共感と自分のペースの重要性

私は患者会等には参加していないが、この経験を通じて共感やカタルシス効果の価値に気づいた。心理学者カール・ロジャーズが提唱した「共感的理解」の概念は、他者から理解され、受け入れられることで自己受容が促進され、心理的な成長につながることを教えてくれた。

最近では、リウマチの症状もずいぶん改善し、減薬に挑戦している。
服薬はすっかり習慣となり、当初の強迫観念も消えた。この過程で、他者とのつながり、学び、感情の言語化が持つ癒しの力を実感した。

グリーフスパイラルという概念は、この回復過程を理解する上で有用だった。
混乱、否認、怒り、罪悪感、抑うつ、諦め、転換といった感情がランダムに現れ、変化しながら再生へと向かう。

最終的には、失ったものを受け入れ、自分らしく生きていくための道のりだ。
それを自分のペースで進むことの大切さを身をもって体感している。

未来への希望と感謝の気持ち

現在、ペットロスや喪失体験に関する知識を更に深めながら、未来への希望を持ち、新しい自分を創造している。この経験から、困難な状況においても、自己理解と他者とのつながりが重要な支えになることを学んだ。

同じような苦しみを抱えている方へ。

焦らず、自分のペースで誰かとつながり、少しずつ前に進んでほしい。それが、未来を切り開く一歩になると信じている。そして、その経験が自己成長の機会となり、より強くしなやかな心を育むきっかけになることを願っている。

振り返ってみると、あの苦しい時期を乗り越えた自分に感謝の気持ちが湧いてくる。簡単には乗り越えられない壁だったが、少しずつ前に進み続けた自分を誇りに思う。

そして、この困難な道のりを常に見守り、支えてくれた夫には言葉では言い尽くせないほどの感謝の気持ちでいっぱいだ。彼の存在が、私が前を向いて歩み続ける大きな力となっている。

また、noteという場所が、自分の思いや経験を言語化し、整理する機会を与えてくれたことにも深く感謝している。
ここで綴った言葉の一つ一つが、自己理解を深め、心の癒しへとつながっている。こういう場所があるからこそ、自分の経験を振り返り、そこから得た学びを他の人々と共有することができる。

これからも、日々の生活の中で感謝の気持ちを忘れず、自分らしく生きていきたい。そして、この経験を通じて得た学びを、同じような苦しみを抱える人々への支えとして活かしていけたらと思う。苦しみの先には必ず光があること、そしてその光に向かって歩み続ける勇気を持つことの大切さを、これからも実践し、伝えていきたい。​​​​​​​​​​

いいなと思ったら応援しよう!