したくないこと
したいことが沢山ある。
そして、したくないことも。
最もしたくないことは、やはり、喧嘩だ。
喧嘩にも色々な形があるが、家庭においても職場においても、口喧嘩にしても暴力にしても、何であれ、嫌だ。
嫌な理由は、もちろん、面倒くさいからだ。
「嫌だ」、「面倒くさい」と頭でわかっているのに、それでも喧嘩してしまうことがある。
喧嘩のきっかけは、相手による場合もあればこちらによる場合もある。
また、どちらからとも言い難い場合もある。
こちらに喧嘩の要因があると明らかに認められる場合で、「したくない」「自分が悪い」と思えるなら、謝罪する。
あとは、相手が許すか許さないかに委ねられるだろう。
相手に喧嘩の要因がある、あるいは、どちらからとも言い難い場合はどうか。
「したくない」「面倒くさい」という言葉が頭の片隅にあるはずなのに、つい興奮して、相手のペースにハマってしまったり、自ら喧嘩の土俵に足を踏み入れてしまうことさえある。
それで、軍配がどちらに上がろうとも、後味の悪い思いをするのが常だ。
では、どうすれば回避できるか。
「喧嘩するなら、自分より弱い相手とやるな」とは、ガキの頃に父からよく言われた言葉だ。
といっても、気の弱かった自分は、学生時代をほとんど喧嘩することなく日々を過ごした。
嫌なことをされても、笑って誤魔化す。
そんな自分が情けなかった。
大人になって、多少の度胸を得て、変な自信もついて、いつの間にか、自尊心が邪魔くささを上回ることが増えた。
大した人間でもないのに、勘違いするようになった。
それで、人と衝突することも増えたんだろうと推測できる。
「しなくて済む喧嘩なら、少しのプライドくらい捨てても良いじゃないか。」
「相手に花を持たせてやれば良いじゃないか。」
そうだ、少しのプライドを捨てても、誰も損をしないし、後味も悪くないだろうし、その場が丸く収まるんなら、それで良いじゃないか。
むしろ、積極的に相手を喜ばしてみるのはどうだろうか。
「相手を持ち上げる」、「おだてる」ことによって、相手を気持ちよくさせて、逆に「こいつには敵わない」と思わせる。
『鞘の中』という言葉があるが、なかなか実践するのは難しい。
もし、会得できたなら、日頃の居合による修行の賜物だろう。
さて、明日の稽古も頑張ろう。