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『召使たち』(1930年代ベトナムのルポルタージュ)

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1936年にハノイ新聞で掲載されたヴー・チョン・フンの新聞記事『召使たち』①~⑩のまとめになります。
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記事一覧

『召使たち』⑩(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅹ 取材を終えて  読者各人、今、私は既に元の生活に戻っている。  半袖の桃紅色シャツ…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』⑨(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅸ 主人を罵る召使たち  どんくさい女中は感電し、てんかんの発作を起こすようになった。…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』⑧(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅷ 悲喜劇  そのように愚劣極まる田舎の民について連綿と思慮している最中、突然と二人の…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』⑦(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅶ 都会の明かり  次の日の夜、私は再び飯屋に足を運んだ。  この時もいつも通り,先ほど…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』⑥(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅵ 無垢な魂の断片をたらしこむ  夕方になると、ズイと私は共に立ち上がりアメデ・クール…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』⑤(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅴ 小説:ズイという女中  灯りの前に腰を下ろしこの話を物語る中で、私もやはり些かの魅…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』④(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅳ 人間をする価値というもの  ・・・題の意味することはつまり、人が太刀打ちできないほどに家畜が価値を持つ場合があるということだ。実際に私は犬の中でも主人に牛肉を買い与えられているものを見ている。また主の家の中で召使をしている者以上に犬が毎月主人に金を消費させていることもあるのだ。  老若男女あらゆる種を備えた十六人は、各人が犬のようにと願おうと、また一方で非常に面倒で骨の折れるものでも意義のある労働に四肢を捧げて服したいと思おうとも、依然仕事も得られず稼ぐこともままなら

『召使たち』③(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅲ 十六人に値打ちを  私たちが座る場所の前に置かれた板には誠に美しいとかいった文字が…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』②(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

 Ⅱ その夜、飯屋にて  それがどこの飯屋で、どこの通りにあり、何を売っているかなどは言…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』①(作:ヴー・チョン・フン):1930年代ベトナムのルポタージュ

Ⅰ 序  読者各人は髪型を如何にしているか! 長らく私はそんなことに頓着することもなく、…

古賀拓海
2年前
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『召使たち』(作:ヴー・チョン・フン)の翻訳を掲載するに当たって

これから十回に分けて、1936年にハノイ新聞で掲載されたヴー・チョン・フンのルポタージュ『召…

古賀拓海
2年前
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