キューバへの旅立ち 2019年、当時大学3回生の私は、ピアノ専攻の学生だった。小さな頃からピアノは私の全てであり、毎日数時間練習に励んできた。だが、その年の大きなコンクールを終えた直後、精神的な疲労がピークに達し、燃え尽き症候群に陥っていた。これ以上ピアノに触れ、音楽と向き合うことにストレスを感じるようになり、指が鍵盤を触れるたびに罪悪感が押し寄せた。自分の存在が音楽の中にしか見出せず、ピアノを辞めたいという気持ちと、ピアノ以外は自分には何もないという葛藤と不安が毎日襲った