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「ピアノのメッカ」ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭 写真レポート その4
こんにちは。パリ在住の音楽もの書き屋兼翻訳家、Victoriaです。
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭のレポート4回目は7月31日の巻です。
この日も朝からすでに30度を超える猛暑となりました。
まず、15キロほど離れたホテルから朝のリサイタル会場に向かう車中からのプロヴァンス地方の風景をお伝えします。
青い空と緑の木々が印象的です。
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今年はコロナの関係で、普段フランス国外にヴァカンスに出る人が南仏に殺到したということで、ラ・ロック市内に宿が確保できず、遠くのホテルになりました。普通は市内の、シャンブル・ドート Chambre d’hôte と呼ばれるところに泊まります。これは、個人が自宅の空いている部屋を宿泊用に貸すシステムで、フランスの田舎ではよくあります。家庭の雰囲気が味わえ、夜には家庭料理を振る舞ってくれるところも多いです。
11時からのリサイタルの会場前には長蛇の列ができていました。
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この日はイギリスの新星、マーティン・ジェームス・バートレットが登場。
まずバッハ、ラモー、ハイドン、つぎにワグナー/リスト、ラフマニノフ/ワイルド、そしてラヴェルという2部構成です。が、コロナ以降、基本的にコンサートには休憩はありません。
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演奏は若いエネルギーに溢れ、ラヴェルの『ラ・ヴァルス』の最後では、ラヴェル本人が解説しているように、それまでの世界(音楽)が爆発するような、物凄いクライマックスとなり、聴衆は熱狂しました。
会場前で、調律家や技師たちのヘッドチーフを務め、音楽祭に10台ほどあるピアノを総括するドゥニシュ・ド・ヴィンターさんとしばし懇談。昨夜もその前も、聴いたばかりのコンサートについて感想を交換しました。
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その後、いったんフロラン公園に寄ったところ、プレス担当のアリーヌ・ポテさんとすれ違ったので、チケット売り場前でパチリと一枚。実は彼女とはソルボンヌ大学の同窓で、音楽学の同じクラスで音楽メディア論を学んだという仲なのです。
プレスオフィスの向かいの建物の壁(写真下)には、最近、画面が備え付けられ、音楽祭の紹介ビデオや、アーティストのメッセージなどが流れています。写真の奥に何人か人がいる場所が、チケットコントロールです。
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この日も午後はいったんホテルに帰って出直すことにしました。
午後は18時30分からシルヴァカン旧修道院でジュスタン・テイラーのクラヴサンのリサイタルがあったのですが、17時から最近逝去したネルソン・フレイレのドキュメンタリー映画が放映されるということで、そちらに行きました。
ブラジル映画で、ラ・ロック・ダンテロンでのコンサートやそのためのリハの様子(とくにアルゲリッチと)もふんだんに取り入れられています。
その後フロラン公園へ。何百年も前からあるセコイヤやプラタナスが繁り、いつ来てもホッとする場所です。
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少し時間があったので、再び客席下の写真コーナーをお散歩しました。
下はフレイレとアルゲリッチ。
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下の2枚は最初の頃(1枚目の写真の右下に舞台が設置されていない時の池が見えます)と、90年代半ば(と思います)の会場。ステージの反響板がまだ小さいです。現在は半円形のステージもこの頃はまだ真っ直ぐでした。
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夜はベンジャミン・グローヴナーのリサイタル。今年招かれた英国人ピアニストは、朝のバートレットとグローヴナーの2人。この日に集中しました。
彼もエネルギー溢れ(ヒナステラの『アルゼンチンのダンス』は素晴らしいリズム感でした)、なおかつ歌うところではしっとりと音を紡ぎ、大家を思わせる素晴らしい演奏でした。
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コンサート後、ホテルに帰る車から見事な夕暮れが。
この日も充実したピアノを堪能できました。
さあ明日は最終日です。
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写真©️Victoria Okada
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