パリ、2022-23年の年末年始はミュージカルで!
2022-23年の年末年始、パリではミュージカルが花盛り。
閉鎖した有名キャバレー「リド Lido 」がミュージックホール「リド2 Lido 2 」になって初めてのショー『キャバレー Cabaret』、シャトレ劇場での『42番街 42nd Street』の再演、モガドール劇場で再演2年目に突入した『ライオンキング Le Roi Lion』、セーヌ・ミュジカルでの『スターマニア Starmania』の現代バージョン、そして変わったところではオペラ・コミック劇場が『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ Little shop of horrors』を新しいオーケストレーションと仏語版で上演中。
他にもさまざまなショーが舞台にかかっているが、これらのうち、『キャバレー』、『42番街』、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を観た。
映画と舞台
これら三つに共通しているのは、どれも映画と舞台でヒットしていることだ。
『キャバレー Cabaret 』はオスカー賞複数受賞のライザ・ミネリ主演の映画(1972封切り)が有名だが、今回のバージョンは1966年にブロードウェイで上演されたミュージカルのオリジナル版に、ロバート・カーセン Robert Carsen が新しい演出をつけたもの。
『42番街』は1933年の映画の大ヒットの後、1980年になってミュージカル化されてトニー賞を受賞し、ロングラン上演となった。シャトレ劇場で上演されているのは映画版に基づくもの。
この2作品は、かつてシャトレ劇場の芸術監督で、現在リド2の芸術監督のジャン=リュック・ショプラン Jean-Luc Choplin のイニシアチブで舞台化されている。ショプランはシャトレ劇場時代(2004〜2017)にミュージカル路線を打ち出し、アメリカやイギリスからアーティストを招いて独自のプロダクションかつ新演出で有名作品を次々と上演し、この分野に冷たかったフランスにミュージカルへの趣味をもたらした。今回の『キャバレー』上演もその路線につながるものだ。
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は、仏語の題名が『ラ・プティト・ブティック・デ・オルール La Petite Boutiques des horreurs』。元は1960年に公開されたB級映画で、1982年にミュージカル化されヒットし、1986年にハリウッド映画としてリメイクされた。1985年にはアラン・マルセル Alain Marcel によるフランス語版ができたが、オペラコミック劇場では、1982年のミュージカルをベースとしてこの仏語版を取り入れた。加えて、以後多くのディズニー作品でコラボレーションしたアラン・メンケン Alan Menken の楽譜に、メンケンの許可を得てアルテュール・ラヴァンディエ Arthur Lavandier がオーケストレーションを新しく書きおろし、音楽に大きな膨らみを持たせている。
次回からは一つずつレビューを書いていくことにしよう。
トップ写真 42nd Street - Théâtre du Châtelet © Thomas Amouroux
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