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ドストエフスキー「罪と罰」を読む
あの、亀山郁夫先生が解説という夢のような番組
NHK100分de名著。
伊集院光さんがまだMCを始めたばかりで、すごく元気いっぱいなんだけど、
時々ふいに作品の神髄にふれる離れ業をやってのける片鱗はもう出ている。
「罪と罰」に関して言えば、
これほどの大それたことをやってのける相手が、
なぜ自分とは何の関係もない、
単に強欲なだけのおばあちゃんであったのかがわからない。
というか、納得がいかない。
殺しても心が痛まないし、
社会的な影響も大してない虫けらのような存在の象徴として
「老婆」が選ばれたんだとすると、
それだけで、
罪も罰も最大限でいい気がする。
もうひとつの名著「カラマーゾフの兄弟」では、
殺されるのはお父さんなので、
そっちの方が私は納得できる。
革命の戦士を気取る男は、
ただ生活のために仕事してるだけのばあさんを殺してはいけなかった。