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歩くことで変わる日常、近所が教えてくれること

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定休日の朝、空気が静まり返る中、いつものように運動から始めた。今日は渓谷へと足を運ぶ。冬の気配を探しに行くようなトレッキングだ。足元の落ち葉が乾いた音を立て、背の高い木々が季節の変わり目を語りかけるように揺れる。標高を上げるごとに、冬の匂いが濃くなる。冷たい空気が頬に刺さり、夏に来た時の記憶が不意に蘇る。あの頃は、川辺で騒ぐ家族連れの声が騒音に感じられ、訪れるのを控えていた場所だ。今、その喧噪のない渓谷は、私だけの静けさを取り戻していた。

川が冷たそう
岩肌を突き進む

人から、「楽しくもないことを続けられるのはすごい」と言われたことがある。しかし、私にはその「すごさ」が理解できない。楽しいかどうかは重要ではない。ただ、必要だから続ける。それが私の中では習慣となり、やがて喜怒哀楽の外側に置かれる。運動も、義務感から始めたものだが、今では「やるかどうか」を悩む余地すらない。ただ淡々と、体を動かす。それが日常の歯車の一部になっているだけだ。

休憩はすることが無いのでスマホを開く

その後、歯医者へ向かった。親知らずを抜いて以来、久しぶりの定期検診。診察台に座りながら天井を見つめ、歯科医の声を聞き流していると、不意に「磨きすぎている」と指摘される。力の入れ方が強すぎるらしい。クリーニングが終わる頃には、妙な充実感を覚えた。とはいえ、歯医者という空間は気疲れする。帰宅すると、そのままソファに倒れ込むように眠りに落ちた。

夕方、目が覚めて外に出た。近所をゆっくり散歩するだけの軽い運動だが、この散歩には、最近ほんの少しだけ特別な意味を感じている。以前、経理の子に「近所を散歩するのも楽しい」と言われ、それをきっかけに歩いてみたところ、確かに新しい発見があった。古い家々や冬の訪れを告げる草木の色づき――どれも普段の忙しさの中では見過ごしていた風景だが、歩くことでそれらに目が向くようになった。

初めて渡る踏切
こんな大きな川があったとは
渋滞時の抜け道も探す
通勤の人が増えてきている
冬が来ている

夜には整体を予約している。疲れ切った体をほぐし、年末の繁忙期に備える準備をする。今日という一日は、全てが「整える」という言葉に収束する。心も体も、黙々と前を向き続けるための基盤を築く。

冬の入り口に立つ静かな一日。その静けさは、これから始まる忙しさの嵐の中で、ふと立ち返るべき場所として記憶に刻まれるだろう。

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