「いい牧場」が、ナンボのもんじゃい
前回の続きです。
「社会に必要とされる牧場」とか
「社会の公器としての牧場」とか
ムズかしくエラそうなことを書きました。
前回の僕の記事にはツッコミどころがあります。
・「いい牧場」って結局どんな牧場なのか、やっぱりふわっとしてる。
・「いい牧場」じゃない牧場は、あっちゃいけないの?
・「いい牧場」がいくつかあったところで、畜産業や社会が持続可能になるの?
僕が読者として突っ込むとしたら、こんなところでしょうか。
読者によっては、まだいくらでもあるでしょう。
読者としての自分に、筆者としての自分が回答してみましょう。
<「いい牧場」って結局どんな牧場?>
これは、前回の記事が
「それぞれ皆さんが考えてみてください」
というメッセージなんです、という答えになります。
そもそも、僕が答えを提案しているのではなく、「問い」なのです。
持続可能な畜産を考えるために
「持続可能な資本主義」という本を畜産に読み替えてみたので
みんなそれぞれ考える種にしてください
という内容でした。
ふわっとしているのは、考える余白であり
読者に手渡している部分です。
理想的すぎるのは
想像力を「現実」に縛らせないためです。
未来はどうなるかわからない
ならば、どんな未来を描くのもアリです。
どうぞ、ご意見をお聞かせください。
<「いい牧場」じゃない牧場は、あっちゃいけないの?>
好事例を評価することと
それ以外を排除することは
別の行為です。
むしろ、それぞれの牧場の「良いところ」を見つけ出すきっかけになると嬉しいですね。
完璧であることを求めているわけではありません。
<「いい牧場」がいくつかあったところで、畜産業や社会が持続可能になるの?>
「持続可能な資本主義」の中では
現実には極めて少ない「いい会社」を見つけだし
応援し、ファンをつくり、いい会社同士をつなげ
「いい会社」を増やしていく生態系のような仕組みが紹介されています。
(それ自体が著者の事業です。)
「いい牧場」を見つけて、応援して、つなげていくシステムを
作るべきか、そもそも作れるのか、わかりませんが
応援することは獣医師という立場からできると考えています。
ただ、それで業界が持続可能になるわけではないし
社会の持続可能性にもインパクトがまったく足りません。
その牧場単体か限られた地域の持続可能性くらいですね。
その辺は整理して考える必要がありそうです。
ここまでまとめると
持続可能な畜産を担うような「いい牧場」のモデルは
ぼやっとイメージできたけど
そんな牧場がポツン、ポツンとあっても
現実の問題が解決できるわけではない。
できることは
①個別に「持続可能な牧場」は作れそう(サポートできる)
②「いい牧場」を増やす仕組みは作れるかもしれない
獣医師個人としてできるのはこの辺。
では、差し迫った気候変動とか社会問題を乗り越えるような
持続可能な畜産については、どう考えればいいでしょう。
今日はここまで。