獣医学関係の著作権フリー・CCライセンスの画像を探すのに便利なHPまとめ
べてぱそと申します。
趣味で、Twitterに獣医病理学関係の図解や解説を作成・アップしています。
その過程で見つけた便利なサイトをこちらにまとめておきます。
(最終更新 2023.4.19)
そもそも、獣医学関係の写真はインターネット上にそう多くは存在しません。
さらに、あったとしても情報が間違っていたりします(ストックフォト系のタグ付け・タイトルは多くの場合めちゃくちゃです)。
とはいえ、教科書をスキャンして勝手に使ったり、検索して出てきたからとインターネット上の画像を転載したりするのは、著作権的に問題があります。
そこで、著作権フリーで使える画像、あるいはクレジット表記などいくつかのルールを守れば使って良い画像を提供してくれているHPをまとめました。
勉強のため、資料作成のため、国家試験対策のため、あるいは学会発表や執筆のためにご活用ください。
Wellcome Collection
2007年に設立された博物館で、医学・薬学・生命科学に関する資料や芸術品を展示しています。ロンドンにあります。
貴重な資料の数々が集められているのですが、その多くがデジタルアーカイブ化されており、しかもPublic Domainやクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているものが多数あり、非常に重宝します。
例えば、「Royal Veterinary College」と検索すると王立獣医学校提供の資料がどっさり見つかります。
そのほかにも、過去の偉人の肖像画であったり…
ペスト医師(plague doctor)の資料なんかもあります。
注意点として、こちらで見つかる画像すべてが「フリー画像」ということではありません。
「Public Domain」のものはともかく、クリエイティブ・コモンズライセンスのものは全てクレジット表記が必須です。
また、クレジット表記に加えて非商用利用に限るなどの追加制限があるもの(CC BY-NC)、そもそも著作権が切れていないもの(In Copyright)も含まれるため、使いたい画像一つ一つのライセンス表記をきっちり確認して使用しましょう。
なお、こちらからアクセスできるデータベース"Open Artstor: Wellcome Collection”も、同じくWellcome Collection由来のデジタル画像を10万点以上公開しているようなのですが、検索性がいまいちで使いづらいです。
Public Health Image Library(PHIL)
米国CDCが提供する、公衆衛生に関わる画像データのオンラインライブラリーです。
特に感染症関係の画像が豊富で、しかもほぼPublic Domainなので重宝します。
人の病気が多いですが、動物の病気もかなり載っています。
Veterinary Histology(オハイオ州立大学出版)
オハイオ州立大学の先生が書いた、オンライン上で(無料で!)読める獣医組織学の教科書です。
ボリュームは少なめで、いくつかの臓器系は含まれていませんし、写真もそこまで豊富というわけではありませんが、貴重な情報ソースです。
CC BY-NCライセンスのため、非営利的には加工・二次利用も可能です。
違法アップロードされた本ではありません!
ちなみに、同サイトではほかにも多数のオープンライセンスの教科書を読むことができます。人の血液学の本もありました。
eClinpath(コーネル大学)
コーネル大学獣医学部が提供している、臨床病理学が勉強できるオンラインコンテンツです。
動物種ごとに血液細胞各種を見ることができ、とても勉強になります!
全てのコンテンツはCC BY-NC-SAライセンスで配布されています。商用利用は不可で、二次加工した画像を再配布する際には同じライセンスをつけるよう決められています。
ウィキメディア・コモンズ
Wikipediaは誰もが編集・閲覧できるフリー百科事典として有名ですが、ウィキメディア・コモンズも同様に、誰もが自由に利用・投稿できるメディアファイルの巨大データベースです。
数はそれほど多くありませんが、獣医学関係の画像も色々あります。
画像によりますが、「CC-BY-SA」ライセンスで提供されているものが比較的多いようです。
Share Alikeが付与されているので、もしこのライセンスがついた画像を編集したり加工して再配布したい場合、同じく「CC-BY-SA」ライセンスをつけなければなりません。
そして、Wikipediaと同じく、これらの画像は全て個人が投稿した画像です。
タイトルや内容が間違っていたり、情報が不足している可能性もあります。
使うときは真偽をしっかり判断し、適切な場所で使うようにしましょう。
African Veterinary Information Portal
国家試験対策等で覚えなければいけない病気には、「日本では発生していないけど万が一外国から持ち込まれたらヤバい病気」も多数あります。
そういう感染症の画像が豊富に、しかもCC BY-SAライセンスで配布されているHPです。
他にもVeterinary Scienceカテゴリには色々なデータベースがあるようですが、情報量が多すぎてまだ調査しきれていません。
National Institute of Animal Health, NARO
家畜の感染症系の、組織像と電子顕微鏡画像を比較するページがめちゃくちゃ面白いです。
コンテンツはCC-BYで商用利用もOKだそうです。
ところでNAROってどこの国の機関?あれ、農研機構(日本)のHPが英語になっただけ…?あれ、ってことはこれ動衛研?つくばの?
農研機構(日本語版HP)の利用規約にはコンテンツの無断での引用転載禁止、改変禁止って書いてあるのに…
英語版ならOKなんですね。ちょっと不思議です。
Veterinary Pathology Image Database(スペイン・バルセロナ自治大学)(2023.2.6追加)
動物種、臓器ごとに様々な病理画像を見ることができます。
全てのコンテンツはCC BY-NC-NDライセンスで配布されており、改変や商用利用はできないとはいえ、ルールを守れば使用できるので非常に便利だと思います。
肉眼病理が多めですが、組織写真もあります。
※若干HPの動作が重いようで、検索してから反応がない?と不安になることがあります。しばらく待つか、再読み込みすると良さそうです
Canine Radiographs(イギリス・王立獣医学校)2023.2.6追加
犬のX線画像が無料で勉強でき、しかもCC BY-NC-NDライセンスです。
X線画像にはラベル付き、しかも肉眼との対比(実際にお腹開けたらこう見える)もできます。
こんなHPがあるなら学生の時に知りたかったです…
Animal Science Image Gallery(アメリカ畜産学会)2023.2.6追加
畜産に関係する写真やイラストなどが無料でダウンロードできます。
基本的にPublic Domainらしく、教育目的の利用や改変もOKです!
ただし商用利用の場合は作者の許可がいる(Public Domainなのに…?)と書いてありました。
なかなか見たことがない写真が多く、大動物の勉強に良さそうです!
CSIRO ScienceImage(オーストラリア連邦科学産業研究機構)2023.4.19追加
動物だけでなく虫や植物、食べ物、風景写真に至るまで、様々な写真がCC BYライセンスのもと利用可能です。
オーストラリアならではの野生動物の写真も!(コアラなど)
その他
ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)図書館が提供するライブラリーの中で、100年以上前の獣医解剖学の美麗イラストが閲覧できます。
ただ、著作権の所属が微妙らしいです(著作権者不明no known copyrightとなっているものが多い)。見るだけにとどめた方が無難かもしれません。
最後に
今後も良いHPを見つけたら追加していきます。
情報提供お待ちしています。