論文「暑熱環境が黒毛和種去勢肥育牛の飼料摂取量,発育,血液成分および飼料消化性に及ぼす影響」 part4
今回も、以下の論文に関しての記事になります。
特に、暑熱による血液成分に及ぼす影響についてです。
暑熱と血液成分の関係について、1981年に以下のように報告されているようです。
血液成分の増加
熱放散による血中水分の減少→血液濃縮→血液成分の増加(みかけ)血液成分の減少
飼料摂取量の減少&消費エネルギーの増加→血液成分の減少
暑熱により、血液成分は増加したり、減少したりするってことです。
なるほどです。
さて、今回の調査結果はどうだったのでしょうか。
以下が結果になります。
今回の調査では肥育中期の暑熱群がn=10と比較的少ないため、肥育前期と後期に注目しますね。
肥育前期
Alb、BUN、IP、A/G比→低下
Glb→低下肥育後期
T-cho、BUN→減少
VA→増加
まず、どちらのステージでもBUNの減少が見られますね。
これは、CP摂取量の減少、消化率の低下によるものだと考えられています。
IPとT-cholの減少も同様に飼料摂取量減少が影響していると考えられます。
暑熱群でのビタミンAの増加については、暑熱以外の要因も考えられるため、今後の検討が必要とのことでした。
ちなみに、個人的には暑熱期はビタミンAの消費が増えると考えています。
暑熱は確実に血液成分にも影響するんですね!
次回は、飼料消化性について、紹介しますね!