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犬のポリエチレングリコールの安全性
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【犬のポリエチレングリコールの安全性】本日はポリエチレングリコール(PEG)についてご紹介します。犬猫に毒性がい高エチレングリコール(EG)と名前が似ていますが毒性はとても低いです。
PEGは体内でEGに変換されることはなく,EGのようにシュウ酸等を形成せず腎毒性はないと考えられます。
PEGはエチレンオキシドと水の付加重合体でマクロゴールという名前でも医薬品として用いられています。軟膏や座薬の基材などのほか,溶解補助剤として注射剤にも用いられます。分子量により固体から液体まで性状は様々です。
■物質名
ポリエチレングリコール(毒性は極めて低いと思われます)
■臨床徴候(症状)
PEGを2%濃度で1年間フードに混ぜて犬に与えても異常はみられなかったという報告があり,安全性が高い物質と思われます。そのため中毒症状もあてはまりません。
PEGが人間の慢性便秘症の治療として用いられた際に5%未満の発生として発疹のほか下痢や腹痛,悪心などが報告されています。
■中毒量
安全性が高く犬や猫における中毒の報告がないため不明です。
■なりやすい犬種
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■催吐
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■治療
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■注意すべきこと
名前が似ているエチレングリコール(EG)は体内で代謝されることでグリコール酸,シュウ酸,二酸化炭素などとなります。シュウ酸は腎臓の尿細管という部分に大量に付着しその機能を著しく障害します。
ポリエチレングリコールを犬1 kgに対して2000 mg経口的に投与した報告では,エチレングリコールは血液からも尿中からも検出されなかったことから,名前は似ていますがポリエチレングリコールを摂取しても犬に有毒なエチレングリコールは生成されないと思われます。
■参考
・日本医薬品添加剤協会 http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/ma/dama9.html 2023/03/28参照
・TAM, Fiona M.; CARR, Anthony P.; MYERS, Sherry L. Safety and palatability of polyethylene glycol 3350 as an oral laxative in cats. Journal of feline medicine and surgery, 2011, 13.10: 694-697.
・OLBY, N. J., et al. A placebo‐controlled, prospective, randomized clinical trial of polyethylene glycol and methylprednisolone sodium succinate in dogs with intervertebral disk herniation. Journal of veterinary internal medicine, 2016, 30.1: 206-214.
・ポリエチレングリコール(マクロゴール)を主成分とするAJG555の薬物動態試験について
https://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/111890000_23000AMX00821_I100_1.pdf 2023/03/28参照
・日本薬学会 薬学用語解説マクロゴール https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?マクロゴール 2023/04/22参照
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