犬にマカデミアナッツは危険!マカデミアナッツ中毒の怖さとは?!獣医師が解説!
マカダミアナッツは、マカダミアナッツ中毒という病名があるほど、中毒を起こしやすい食べものです。
犬がマカダミアナッツを食べてしまった場合、食べて数時間後に中毒症状を起こし、重度の中毒になると死亡してしまうこともあります。
ナッツ類のなかではマカダミアナッツが一番危険といわれていますが、他のナッツもあげていいわけではありません。
基本的にナッツ類は高カロリーで油分が多く、消化不良を起こしやすい食べものです。
犬がナッツ類を食べると、場合によっては中毒を起こし、様々な症状が出ることがあります。
本記事では、犬のナッツ類中毒の病態、症状、中毒量、治療法に至るまでを獣医師が徹底解説します。
この記事を読めば、犬にナッツ類、マカデミアンナッツを与えていけない理由と対処法が分かります。
犬にとって危険な物を知りたい飼い主必見です。
限りなく網羅的にまとめましたので、マカデミアンナッツ、ナッツ類が犬に与える影響をご存知でない飼い主は是非ご覧ください。
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この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。
今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭と生活をしています。
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✔︎本記事の内容
犬にマカデミアナッツは危険!マカデミアナッツ中毒の怖さとは?!
犬がマカデミアンナッツを食べてしまった時に起こる病態
マカダミア(学名:Macadamia integrifolia)とはヤマモガシ科の常緑樹です。
直径2cmほどの殻果(ナッツ)はマカダミアナッツ(クイーンズランドナッツ)と呼ばれています。
マカデミアンナッツはケーキやビスケット、バターに含まれています。
100g中の脂質は76.8gだがコレステロールをまったく含まず、逆にオレイン酸やパルミトレイン酸などの不飽和脂肪酸が83%も含まれ、人にとっては健康食品です。
マカデミアバターの摂取後に中毒が起こることも報告されております。
犬がマカデミアンナッツを食べてしまった時の中毒の症状
毒性のメカニズムは知られていないが、ナッツの成分や加工過程での汚染物質、マイコトキシンなどが関与している可能性があります。
多く見られる症状が、嘔吐や下痢、発熱です。
また、痙攣やひきつけを起こしたり、ぐったりして無気力になったりというのもよくある症状です。
このような症状は、ナッツの摂取後12時間以内に起こることが多く、重度の場合は腎不全を引き起こします。
代表的な症状は、虚脱、運動失調、腹部圧痛、無気力、嘔吐、
下痢、沈鬱、発熱、鼓腸、破行、関節痛、横臥 などです。
血液検査では、血中トリグリセリド、アルカリホスファターゼの軽度の増加が認められます。
症状が急性で劇的です。
様々な程度の運動失調あるいは後肢の不全麻痺が生じます。
症状は普通は、治療なしでも12時間から24時間で回復します。
犬がマカデミアナッツを食べた時の対処
対処法は3つに大別されます。
動物病院では、まず胃の内容物を吐かせて外に出し、その後、胃の洗浄をして、活性炭や下剤を投与するといった治療がおこなわれます。
中毒の症状や原因となるものを、体外に排出することが最優先されます。
そのまま様子を見る(勝手に吐く、あるいは、便で出るのを待つ or 毒物なら点滴して希釈する)
吐かせる
点滴などの対症療法
摂取後2時-4時間以内であれば、催吐薬の投与を行い吸着剤の投与を併用します。
催吐の効果が認められられない場合には、胃洗浄を行うこともあります。
通常1時間以内であれば胃の中にまだありますので、吐かせることができますが、3時間となるとはかせることは難しいため、症状が出た場合は点滴となります。
しかし、お近くに病院がない場合、また3時間以上経過すると胃袋になく、吐かせることができませんので、中毒が出ないように祈る以外、ご自宅でできる事はありません。
これは3時間経過していれば、病院でも同じです。
しかし摂取後時間が経過している場合は催吐薬の投与、洗浄は行わずに吸着剤の投与を行います。
時間が経過している場合は催吐、並びに胃洗浄は体への負担が生じるだけで効果が認められません。
多くの中毒と同様に嘔吐による脱水、電解質の補正のための輸液などの対処量を行います。
点滴治療で、症状を緩和することが目的となります。
犬がマカデミアンナッツ中毒を起こした時の治療
マカデミアンナッツ中毒に特異的な治療法はなく、マカデミアンナッツ摂取から数時間以内であれば催吐処置が推奨されます。
通常、消化管洗浄は必要ないと言われております。
腎不全を発症している場合には、急性腎不全に準じた治療を行います。
静脈内輸液を行い利尿促進しますが、十分な輸液を行った後も、乏尿もしくは無尿の場合には、血液透析や腹膜透析も行うことがあります。
乏尿、無尿であっても透析による治療が有効であった症例も報告されています。
犬がマカデミアンナッツ中毒を起こす中毒量
中毒成分はわかっておりません。
体重1 kg当たり0.7 gのマカダミアナッツを食べて、中毒症状が出た例が報告されています。
※中ぐらいのマカダミアナッツ1粒は2.0 gほど、大粒では1粒2.3~2.5 gほど
ただ、中毒症状を引き起こす目安となる量は分かっていません。
犬がマカデミアンナッツを食べてしまった時の応急処置と対処法
原則は病院の受診です。
病院で安全な催吐処置をしていただくことが最善です。
しかし、周りに病院がない場合、離島などで病院受診が困難な場合は自宅で吐かせるしかありません。
自宅でできる催吐処置は元々非常に危険で、それが原因で命を落とすこともあります。
炭酸ナトリウム 小型犬:0.5g/頭 中型犬以上:0.5-1g/頭 口腔内投与
3%過酸化水素(オキシドール) 1-2ml/kg
上記はあくまでも参考です。
決して気軽に自己判断で行わないでください。
犬がマカデミアンナッツ中毒を起こした時の予後
予後は比較的良好です。
十分な点滴で水和状態を改善すれば、多くは問題が起きることはありません。
現在では乏尿、無尿の症状があり急性腎不全が疑われる場合は積極的に透析(腎臓の機能を人工的に行うこと )などの治療が推奨されているようです。
犬のマカデミアンナッツ中毒の予防
ナッツ中毒は多くの飼い主が認識していますが 、中毒を生じたケースのほとんどは動物の盗食によるものです。
無防備な状態で動物が届く範囲にナッツ類を置かないよう注意が必要です。
犬が中毒を起こした時に、準備しておく必要な物
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