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邪道と言われてもかまわない

皆さんはおやきをご存知かな。

おやきは長野の名物!といいたいところだけど、どちらかというと郷土料理っていう感じ。古き良き、庶民の味です。


地元の人も旅行客のみんなも大好き。

もちもちの皮は、小麦粉やそば粉で練ったものです。

どこまでもちもちにするか、歯ごたえを残すかは、そのお店のこだわりに委ねられます。あとは、その皮でおかずや甘いものを包んで蒸仕上げる、いわば田舎の美味しいおやつなんです。


さあ、いまは長野県民ではあるが長野出身ではない、いつまでも「外から来た人」気分な私ですが、おやきだけはうるさいよ。


なぜなら、私のばあちゃんがうるさいからです。


うちのばあちゃんは長野の隅っこにあるほんとうに小さい林業の村で育ちました。そこで寺子屋のような、今で言う学童と塾が合わさったようなことをしていた家に生まれました。


そこでは、うるさい賑やかな子供達を黙らせる満足させるため、おやつの時間に「自家製おやき」を出していたらしいんですね。


だからばあちゃんにとっては、おやきが懐かしの味であり、ある意味思い出したくない青春の味であり、なんとも複雑なものなのです。


とりあえず、ばあちゃんで5代目、と言われて伝えられたおやきのレシピ。6代目のはずのうちの母が1回もつくることはなく、ぶっ飛ばして私で7代目。


初めて食べた時の感動を忘れません。ほんとうに美味しいんだよね。


肉まんを想像したらわかりやすいかも。それの、皮がもっともちもちしていて、弾力があるかんじ。でも餅粉ではないから胃もたれとか、お腹が重くなる感じがなくてバランスがいい。


今の人がパンを好んで食べるように、昔の長野県民は小麦粉で美味しく蒸した「おやき」を食べていたんだね〜。




さて、前置きが長くなったけど、早速作っていこう!
今日作るおやきはピザ味だよ!

ばあちゃん👵<え、邪道すぎ・・・

張り切っていってみよう!



レシピといえども、中身はオリジナルで楽しめるのがおやきの気楽でいいところ。じゃあ何がそんなに難しいのかといえば・・・

皮の配合


皮を作るためには小麦粉、と一口に言っても、いろいろな種類の粉を混ぜる場合があります。薄力、中力、強力粉・・・。そば粉やふすまが入ることもあり、その比を考えるともう万通りあるでしょうな。


さあ、配合したよ



門外不出のレシピはいつか私の後継者と言えるだれそれにのみ伝承されます。きっとその人が8代目。


そして何と言っても水。あるいは熱湯、はたまたぬるま湯なんていう選択肢もあり。これまた千差万別。うちのばあちゃん流はなんと氷水!



計量のときは氷は抜いておこう

さて、練り上がりました。30分ほど休ませて・・・。

ピザのあんを包んで行きます。ピザ餡の作り方はここに覚書。

トマト缶 3
塩 小さじ大盛りめに2杯
コショウ少々
玉ねぎ 1個
パプリカ 1個
チーズ 両手にいっぱい
コーン カップ1杯

なんだか雑な計量ですな・・・


ここで、皮の配分と同じくらい大切になってくるのが包み方です。
私個人としては、皮の配分や餡の味以上に、というか最も大切なところではないかと思います。


おやきを生まれてからおそらく500個以上は食べているわたしが思うに、包み方によって美味しいか、美味しくないかがはっきり分かれると言っても過言ではないです。


厚み問題

まず、どのくらいの厚みに伸ばすか、という問題があります。


あまりに厚すぎても、餡が引っ込んでしまいます。逆に皮が薄すぎて餡ばかりが主張していると喉が乾くばかりで厄介です。ご飯なしの定食を食べているようなものですからね。


また、扱いやすいかどうかにも影響があります。


厚ければ扱いやすいですが、結びにくくなります。薄いと餡が透けてしまったり下手するとぶにゅりと出てきてしまうこともあります。


結び問題

皮は1枚の平面ですから、立体にするために「結ぶ」必要があります。パンで言う、閉じる作業といいますか。


すると、結んだところには結び目ができます。そこに小麦粉の塊が集中するんですね。その、皮が重なる面積をどのくらいで抑えるか、あるいは増やすかというのも重要でしょう。


少なすぎてもダメ、多すぎてもダメ。餡の味が活かされるかどうかの全てがここにかかっています。


つまりはほんとうに個人の好みでして。

生姜焼きを食べた時に、生姜焼きを一口食べて、すぐ次の一口をいくか。
あるいは、生姜焼き一口に対して、ご飯3口いくか。


もうそれくらいの話になってきます。どれくらいのバランスで味を調整したいか、食感を楽しみたいか、ということ。


ええい、もうやめてくれ!
私をおやきの迷宮からだしてくれ!もうこりごりなんだよ!!

心の声


さて、火を通していきます。餡はできていますが、皮は生ですからね。


ここで企業秘密事項が2つありますので割愛していきますね。7代目として守らなければならない味があるのですよ。


焼くか、蒸すか、揚げるか・・・。それが問題だ!


しかしながらワタクシ7代目からすると「どれでもないんだよーん」言うところなんです。そう、それ以外のある方法で火を通していくのですね。

さて、出来上がりました。


ほんのり温かいのが一番おいしい!


断面を見ていきましょう。どうなってるかな。



チーズがとろとろ。これは子供も喜びそう。


焼き目のつけかたも、家によっていろいろ。


私は強めに線を入れたいけど、うっすら丸い色づきのものが多いかな。

いざ、実食!

🧀<のびーーーーーーる


結論


おやきは美味しい



皆さんも是非、おやきを作って食べてみてください。うまくいかない、という方は、わたしのおやきを食べに来てください。

現在企画中のこのイベントで食べることができるよ。

さあ、お次はどんなおやきが飛び出すかな?
またレポートを書くね〜!


ビストロ微熱

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