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【学生メンターVoice2024vol.1】高校生との向き合い方を本気で考えた1週間

こんにちは!very50インターン生の黒木陽菜です。
【学生メンターVoice】と題したこのシリーズでは、very50にメンターとして関わる学生(大学生・院生)の生の声をお届けします。

very50には、MAP(Mentorship & Action Program)LiD(Ledership in Developing countries)を修了した大学生が、メンターとして高校生のプログラムに参加する制度があります。今回、2024年7月にカンボジア・シェムリアップで行われた高校生向けのMoG(Mission on the Ground)に大学生メンターとして参加したZENG Jiayi(ゼン・ジャイ)さんより、メンター体験談を聞きました。ぜひ、ご一読ください!

ZENG Jiayi(ゼン・ジャイ)
大阪大学大学院国際公共政策研究科比較政策2年生。中国出身。
学部生時は中国の大学で公共経営を学び、少子高齢化社会における家庭の在り方の論文を執筆。同領域の研究が豊富な日本の大学院への進学を決断。

 

1.MAPへの参加経緯

高齢化社会における家庭の在り方についての研究を進める中で、家事労働者として働く人の多いフィリピンやインドネシアの労働者に目を向けるようになり、人権問題や労働問題について着目するようになりました。
そして、東南アジアに関連するNPO/NGOのインターンに参加している際、JICAを通じてvery50のプログラムであるMAP4期を募集していることを知りました。
大学院での繋がりのみならず、より日本社会との繋がりを作りたいという思いや授業以外の時間を活用したいとの思い、高校生とのプロジェクトに対する興味関心もあり、MAP4期に応募しました。

MAP(Mentorship & Action Program)とは、 大学生を対象とした「社会で活躍し変化を起こすためのスキルを身に付ける」プログラムです。MAPを修了した方には、プログラムの中で生徒に伴走する「大学生メンター」として活動していただきます。

 

2.MoGに行く前の事前準備期間に感じていたこと

今回のMoGがカンボジアで開催されていたため、自分の中での期待値が高かったことや、海外という異国の地での活動・生徒たちの言語の壁を考えると心配な面もありました。
ですが、MoGに行く前から生徒たちとは何度もコミュニケーションを取っていたからこそ生徒の性格も理解していたり、(チーム内の)リーダーズの高校生と仲良くできていたりと、事前に信頼関係を築いた上でカンボジアに行くことができたことは、私自身の責任感とお互いの心理的な安心感にも繋がり、すごくよかったと思います。

MoG (Mission on the Ground)は、 高校生自身が、社会起業家が直面しているリアルな経営課題を現役社会人や大学生と一緒に解決していく、超・実践型探究プログラムです。

 
共に夏MoGメンターに挑んだ仲間たちとの写真

3.MoG中に感じていたこと

~現地での活動について~

当初自身の役割を明確に把握できずにいた高校生も、徐々に自分自身の強みを見つけていきながら、やる気を高め、「もっと自分にできることは何か」という点を模索するようになっていました。そんな高校生の姿を間近で見て、すごく感動したのを覚えています。
実際に事業家さんの課題を解決していくにあたり、市場調査やアンケートを実施し、カンボジアに合うペルソナを再設定しなおしたうえで、打ち手を考えていきました。事業家さんに最終提案をした際には、「あなたたちの努力をわかっていますよ」と高校生自身が真剣に事業に向き合ったことやそこから生まれた提案に対して理解してくださいました。
そして、高校生自身最終的に一人一人がリーダーのように頑張っていたことも印象的ですし、何よりも「いい思い出になった」と伝えてくれたことが嬉しかったです。

~自身の在り方について~

約1週間カンボジアでMoGメンターとして過ごす中で、自分自身について考えることや反省することも沢山ありましたが、何よりも教育に対する考え方に変化があったと思います。
カンボジア現地に行く前は、自分自身の役割を(高校生たちの)仲間のように捉え、友達のような関係をつくろうとしていました。ですが、実際に大学生メンターとしてMoGに関わる中で、メンターとしての立場は高校生の中で重いからこそ、発言する言葉をもっと考えたほうが良いのではないかと思うようになりました。また、事前に捉えていた仲間や友達などではなく、もっと大人として慎重に向き合うことが大切なのではないかと考えるようになり、夏MoG終了後にも関わり続けている探究授業において高校生と話す際は、自分自身が彼ら彼女らに与える影響を考えたうえで話すようになりました。
さらに、高校生と向き合う際には、生徒たちよりも少し目線を上げた上で、彼ら彼女ら自身のやりたいことのスペースを設けることが大事であるということにも気づきました。細かなことに干渉するのではなく、メンターとしてプロジェクト全体の方向性をしっかりと示し、学生に十分な自由と発揮の場を与えることが重要であり、多くの場合、大人としての立場を毅然と示すことも必要だと感じました。この経験を通じて、高校生だけでなく、私自身もリーダーシップの本当の意味を理解し始めるようになりました。

事業家さんへの最終プレゼンを終えた高校生たちと

4.very50のプログラムを通して感じていること

MoGでは、大学で学んでいたマネジメント等をビジネスを通してアウトプットできたことが印象深いです。また、学びを得るだけではなく、熱量を持って高校生と向き合う人や自分の将来を考えて努力をしている人、very50以外にも様々な活動をしている人との出会いがたくさんあり、そんな仲間との出会いという財産が非常に大きいと感じています。まさに、NPOという組織だけではなく、熱く面白い人たちと出会えるコミュニティだなとも感じています。

5.今後の展望

将来的にはNPOやNGOにて、実際に人を助ける仕事をしていきたいと思っており、今現在は人権問題の研究をしているからこそ、人権や労働者の権利を守る組織だと自分の価値を発揮できるのではないかと考えています。
very50の活動を通じて、自分の強みや弱みにも気づくことができるようになり、将来的にどこからスキルアップしたいのか、そこで努力をしていくにあたって何をしていけばよいのかなどに気づくことができるようになりました。だからこそ、very50での経験から学んだことを自分自身のキャリアで活かしていきたいとも思っています。

最後になりますが、very50やMAPは、学びと挑戦の場であり、自分の可能性を広げる大きな機会です。初めは不安や迷いもあるかもしれませんが、一歩踏み出してみることで新しい自分に出会えるはずだと思います!出会いや経験の中で得られる気づきや感動を大切にして、次のステージへとつなげてください!