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【学生メンターVoice2024vol.2】経営課題解決から気づいた全員が輝ける場所

こんにちは!very50インターン生の黒木陽菜です。
【学生メンターVoice】と題したこのシリーズでは、very50にメンターとして関わる学生(大学生・院生)の生の声をお届けします。

very50には、MAP(Mentorship & Action Program)やLiD(Ledership in Developing countries)を修了した大学生が、メンターとして高校生のプログラムに参加する制度があります。今回、2024年7月にネパール・カトマンズで行われた中高校生向けのMoG(Mission on the Ground)に大学生メンターとして参加した多田太耀さんより、メンター体験談を聞きました。ぜひ、ご一読ください!

多田太耀(Taiyo Tada)
立命館大学情報理工学部2年生。
高校時代は理系ではなかったものの、留学中にプログラミングの授業に参加したことを機に、IT業界に進みたいと思うようになる。
モノ作りや幾何学デザインに興味があり、自分で服をデザインしたり制作することもある。また、日本の教育にも関心がある。

 

1.MAPへの参加経緯

高校3年生の時に研修旅行型のMoGに参加し、新商品開発チームのリーダーを務めました。
そこで本気で議論する経験をし、学校の授業だけでは味わうことのできない滾る(たぎる)何かを感じました。それと同時に、当時常に前を走りチームを導いてくれていたフェロー*・学生メンター*のお二方がかっこよかった点が印象的でした。
そこから、自分自身も当時憧れたメンターのような大学生になりたいと感じ、MAP*4期に参加を決めました。

*フェロー:MoGにおいて、参加者と一緒に現地に同行し、プロジェクトのファシリテーションや熱量のマネジメントに挑戦しながら、チェンジメーカー(社会起業家)への成果の追究を行う人のことを指します。
*学生メンター:MoGなどのプログラムの中で生徒に伴走し、事業家の方の課題解決に共に挑みサポートしていく学生(大学生・大学院生)のことを指します。
*MAP(Mentorship & Action Program)とは、 大学生を対象とした「社会で活躍し変化を起こすためのスキルを身に付ける」プログラムです。MAPを修了した方には、プログラムの中で生徒に伴走する「大学生メンター」として活動していただきます。

 

2.MoGに行く前の事前準備期間に感じていたこと

今まで全2回MoGメンターとして参加させてもらいましたが、メンターとして事業家さんへの価値提供を目指し、高校生自身の成長をサポートすることにまだまだ悔しさややりきれなさを感じていました。だからこそ、今回の聖学院高等学校のネパールMoGは、自分自身の挑戦の場でもありました。
また、MoGメンターを過去に2回経験していく中で、MoG自体にメンターの自己決定力みたいなものが存在していることを自覚するようになっていました。だからこそ、事業家さんの経営課題解決に向けた日々の活動のアウトラインや現地を訪れ気づいたこと・深めたことを踏まえて方向修正していくタイミングなどをメンター自身が主体性を持ち決めていくことに対する不安もありました。
ですが、MoGは自分自身をも鍛え苦しむ場所だと思っているからこそ、どのように苦しむのか、そしてMoGメンターを通して何を得ていくのかが楽しみでもありました。

*MoG (Mission on the Ground)は、 高校生自身が、社会起業家が直面しているリアルな経営課題を現役社会人や大学生と一緒に解決していく、超・実践型探究プログラムです。

 

3.MoG中に感じていたこと

~現地での活動について~

現地では、環境促進と竹細工職人の社会的な居場所を築いていくことを目指している事業家さんの経営課題解決に取り組みました。
実際に事業家さんのもとを訪問し、気づいたことや得られたものを一人100個以上出すことから初日が始まりました。生徒同士での試行錯誤を経た議論やメンターからの提案、そしてvery50スタッフとの壁打ちなどを行い、提案内容に磨きをかけていきました。現地では販売会も実施し、消費者に環境に対する意識調査の実施やワークショップを通してそのニーズを図っていきました。
最終的に事業家さんのプロダクトから派生して新しい商品開発提案をした際には、自分たちでも持続的に作ることができる新たなプロダクトを提案・証明してくれた点やそこに至るまでに生徒自身が本気で事業家さんと向き合った点に対しても感謝を伝えてくださいました。また、ワークショップの提案においては副社長も月に一度実施することを検討したいとの旨を伝えてくださり、生徒たちが本気で向き合った結果が現れたのではないかと感じました。

~自分自身について~

生徒と共に事業家さんへの価値を届けるべく課題の洗い出しや施策の選定をすると同時に、生徒の成長をサポートする立場として、やはりメンターである自分自身の判断力や裁量の大きさを改めて感じ、やはりその点に関して自分自身がまだまだ成長していく必要性があるとも感じる日々でした。
どのタイミングでチームとして方向修正をしていくのか、リーダーズ*を巻き込んでいくのかなど判断が難しいことが多々あり、メンターとして自分の未熟さを感じることもありました。また、先輩メンターの姿を間近で見て、生徒と共に議論する空間づくりを築きあげていくファシリテーションスキルやリーダーシップ力をより発揮できるようになりたいという思いを抱くようになりました。

*リーダーズ:中高生グループ内におけるリーダーメンバーのことです。

 
共にMoGを潜り抜けたメンターとMoGのリフレクションをしながらネパールの市街を歩く様子

~生徒たちに対して~

MoGでは、事業家さんへ価値を届けることを目指し活動する中で様々な場面やそれに伴う役割・立ち回りが存在します。事前リサーチ、事業家訪問、ヒアリング、分析、ディスカッション、販売会、提案策定…。そこで私が感じたのは、「『全員に輝ける場所がある』と思いながらメンターは活動していくことが大切だ」ということです。ディスカッションに参加することが得意な人もいれば手先が器用でワークショップで活躍する人もいたり、議論後のメモをさりげなく写真を撮って共有してくれる人もいるなど、その人にとってその人なりの輝ける場所があることをメンター自身が信じて向き合うことが大切だと感じました。
また、その姿は目に見えてわかる時もあれば、そうれないときもあります。だからこそ、メンター自身がMoGの中で一人一人と腹を割って話す時間が大切だとも思っています。

MoG初日、生徒に混ざって開会式後のアイスブレイクをする様子
(生徒がワクワクしつつ少し緊張する中、全力で盛り上げることを目標にアイスブレイクをした結果ものすごく盛り上がりました!)

4.今後の展望

今目の前のこと一つ一つに取り組むと同時に、自分の中で揺るがない意思決定ができる大人になりたいと思っています。今までの人生における選択も自分で判断をしてきたかのように思えるけれど、実際に振り返ってみると家庭の考え方や友人の考えに流されるかのように選択してきたこともあります。だからこそ、自分で責任をもって自分の人生における意思決定・判断をしていきたいという強い思いがあります。very50にいる人たちは自分でやりたいことや叶えたい姿などの意志や自分なりの意思を持っている人たちが多くいるからこそ、自分を鍛えるという意味でもvery50とのかかわりは今後も大切になってくるのではないかと感じています。

MoG終了後、メンター、フェローとモンキーテンプル(カトマンズにある仏教寺院)を観光する様子。 (みんなでタイパンツを履いて、めちゃくちゃ観光マインドでした。猿がいたるところにいて、さすがモンキーという名のつく寺院だなと感じました。みんなで猿のポーズを真似して撮った1枚!)

5.最後にひとこと

very50の活動に興味がある方へ。
very50は僕にとって人生を「ちゃんと生きている」と感じられる居場所です。
そして社会を本気で変えていこうとする大人たち、本気で挑戦する学生たちが集まる最高な空間です。そんなvery50の一部として社会と向き合えていることを誇りに思い、大学1年生のときにMAPに参加し、メンターをやろうと1歩踏み出した自分を褒めたいと思っています。言葉通りの”人生の転換期”となる出会いや経験ができると自信を持って言えます。教育が気になる方、スキルを伸ばしたい方、コミュニティに参加したい方、はじめのきっかけは人それぞれだと思います。今のメンターの人たちもそれぞれ色んな理由でvery50と関わっています。この記事を読んだこと、少しでも心が揺らいだことをチャンスだと思って、ぜひ1歩挑戦してみてください!
一緒にこれからの社会と向き合う仲間として関われることを楽しみにしています。