魂が震える声
Shihoさんが邦楽の名曲セレクションで語ってくださいましたので、勝手にリレー形式にして、洋楽ミュージカル名曲セレクションを私からはご紹介させて頂きます。実は某ブログ媒体を利用していたとき、私はミュージカルの観劇レポートばかり書いておりました。
【震える その1】
ミュージカル The Color Purple より I'm here
歌:シンシア・エリボ
こちらは、小説をもとにしたミュージカル。物語の背景、アメリカ南部の黒人奴隷のお話。
演劇界のアカデミー賞に相当するトニー賞を受賞、あわせてグラミー賞も。Black Lives Matter の抗議運動が今もなお続くアメリカの今と重ね合わせて改めて胸にせまるものがあります。
私はシンシアが来日したときに、他海外有名ミュージカルスターとのコラボ公演の中の1曲として I'm here 歌ってくれたのを幸運にも聴くことができました。ほんとに小柄な御方なんです。そんなこと、舞台上では全く思わせない存在感なんです。全身からみなぎる物凄いパワーに圧倒されて、しばらく放心状態になりました。
【震える その2】
ミュージカル オペラ座の怪人 より The Phantom of the Opera
歌:クリスティーヌ役 シエラ・ボーゲス/vs怪人役 歴代ファントムを演じたメンバー ※シエラの相手役は主にラミン・カリムルー(冒頭4番目に歌うとき、ひときわ客席歓声があがる)
ジャーン、ジャジャジャジャジャ、ジャーン、ジャジャのイントロは耳にされた方も多いことでしょう。
パリ、オペラ座の地底に棲む怪人が、密かに愛情を寄せる歌姫クリスティーヌ。怪しい魅力で地底に導き入れ、〈私の為に歌え〉と。
この曲の見せ場はこの動画の4:13あたりに超絶技巧とも言っても過言ではない高音。シエラが歌うのでそこまで、どうぞお聴きください。
この動画は作品25周年を祝してのブロードウェイバージョン特別カーテンコール(アンコールで歌ってるイメージです)。ロンドンバージョンはDVDにもなっていますが、カーテンコールにクリスティーヌ役として登場したのはオリジナルキャスト(初演)のサラ・ブライトマン。
そもそもこの作品は作曲家アンドリューロイドウェーバー卿が、当時恋人だった無名に近い役者サラ・ブライトマンを世にだしてスターにするために作曲したと言われています。そのため、彼女の音域の広さに合わせて作られています。後に二人は結婚(その後離婚)。
ロイドウェーバー卿が他に作った代表的なミュージカルにCATSやジーザスクライスト・スーパースター、エビータなどがあります。
卿の作品を海外で公演しようものなら、そのクオリティを落とさぬよう、指導する財団まであるほどです。
サラ・ブライトマン、シエラ・ボーゲスそれぞれ別の機会に来日コンサートでこの歌を聴かせてくれましたが、人間の声というより、もはや超高級な楽器が奏でている音のようです。
日本版オペラ座の怪人30回以上観ています。が、驚くなかれ、3桁ご覧になってるリピーターもそう珍しくはありません。なので目や耳の肥えた方々は五万といらっしゃるので、説明不足だとお叱りを頂戴するやもしれません。
ミュージカルについて語り始めると止まらなくなるので今回はこのあたりで。