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映画『愛国者に気を付けろ~鈴木邦男』感想文

※ネタバレ注意

右とか左とか

三島由紀夫が自決した時代、学園闘争があった時代をリアルに体験していないアラフォー世代の私は一時期、世の中が何故「右とか左とか」でケンカになるのか不思議でしょうがなかった。

ある知人が冗談半分なのだろうが、私の思想は「左」っぽいどころか「連合赤軍」?!だと言ったことがある。…生憎ハイジャックの予定はないので、その呼称は遠慮させてもらっている。

実際、私は「右」の人の講演会にも足を運んで実際に質問タイムに挙手して「愛国心とは?」と尋ねてみたこともある。その頂いた返答にもなるほど納得した。そのとき私に答えを授けてくださったのは、あの相澤冬樹氏と籠池元理事長。

いま「右とか左とか」でケンカするのはナンセンスだと思うことにした。

予習お勧め本

ただ、私の知らない時代背景・歴史として「右とか左とか」の変遷を知りたくて2冊の本を拝読した。この背景を知って映画を観ると観ないとでは、鈴木邦男氏の存在の稀有さについての気づきが違うと思う。

≪お勧め1冊目:『皇室タブー』

この作品の映画パンフレットに2ページにわたり鈴木邦男氏について語っているのが、月刊誌『創』篠田博之 編集長。この『創』に鈴木邦男氏は長年連載を続けてきた。一読者としては、最近御体調不良により筆が止まっているのが心配でならない。

篠田博之氏もかつて武闘派右翼の襲撃や、連なる街宣車の抗議に話し合いで堂々と応じてきた御方であることがこの本を読むとわかる。最近も『あいちトリエンナーレ』、表現の自由が脅かされることに警鐘を鳴らしている。

≪お勧め2冊目:『「右翼」の戦後史』

右翼がなぜカタカナのそれになって現在に至るかまで、その系譜が詳細にかかれている。とくに、鈴木邦男氏が立ち上げた一水会の位置も合わせての図解は大変わかりやすかった。ただ、初心者の私には難解な部分もあった。

映画感想

あの笑顔の鈴木邦男氏の胸の奥に秘めたるものの奥深さは、計り知れない。思想的に相いれないように見えても、面前で拡声器で批判されようとも、胸襟を開いて現場に立ち会おうとする。

様々なカテゴリーに属する人々との交流を大切にする鈴木邦男氏のスタンスはまさに、この国の良いも悪いも含めて「抱きしめる」を体現したかたちであるといえよう。

日本国憲法への見方も「新右翼」たるが所以であろう。「保守という言葉に甘んじることなく、右からの革命を目指す」のも左翼勢力の影響を受けてのことと、言ってのける潔さも。

ところどころ、字幕に鈴木邦男氏の言葉が切り取られてスクリーンに突きつけられると「おおっ!!!」と圧倒される。言論で闘ってきた御方の言葉の力の強さ。

意にそぐわないものを排除したり、攻撃したりすることは弱虫のすることだと教わったように思う。

エンドロール

映画に使用され、最後のエンドロールでも流れる頭脳警察の「ふざけるんじゃないよ」のYouTube音源をここに置いておく。この選曲にシビレル。

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