私は私の味方でいなければと思った
心の底から不愉快な経験をした。
相手はマリンスポーツ体験のツアーガイドで、ベテランならではの明るさというか距離の近さというか、そういうのが如実に出ている人だった。
私は、初対面の相手が年齢を理由にタメ口で話してくると心のシャッターをスコーーーンと下ろしてしまう。生きていればそんなこといくらでもあるわと思われそうだが、関係を続けることが必要な場合は「そういう人」と認識しつつもうまく距離を取って接するようにしている。
今回もシャッターは即下り、でも今日この場限りの付き合いだしなと思って割り切っていたのだが、細々な不快を与えられたのちに最終的には、面と向かって指を差され「馬鹿じゃないのか」と笑われた。
あくまでもこっちは体験ツアーの参加者である。言われた瞬間、はい???と固まり、その後あまりの言動態度の無礼さに怒りがこみ上げてきたが他の参加者の楽しそうな雰囲気を壊したくなくて無視を決め込んだ。
帰りながら自分の頭の中で状況を整理したが、私は悪くないと思った。
同行者には何も言わなかった。今回不愉快を味わったのは私一人であり、同行者はとても楽しんでいた。だから気を遣わせたくなかったし楽しい思い出に傷をつけたくなかった。
ちなみに母に話すという選択もない。「お母さんだけは何があっても私の味方」という人も多いかもしれないが、私の母は「でもあんたにもこういう直すべきところがあるでしょう」「それはあんたがそんな風にしたからじゃない」と必ず私の言動行動を正しにくる。嫌なことがあってそれを他者に話すとき、欲しいのは解決策ではなく同調や傾聴である。母は教育者なのもあって、私に正しい人間になってほしいと思っているからそう言うし、それも愛なのもわかる。だから喧嘩になるのを避けるために相談は母にすることは滅多にない。
そうなるともう、私のこの気持ちはどこへ持っていけば良いのか。
結局、Instagramのストーリーで「親しい友達」限定で、画面の向こうの友人達に話を聞いてもらった。ブチギレてくれたり、「あなたは1mmも悪くないよ」と言ってもらったりして少し落ち着いた。
友人たちありがとう、SNSがあって良かった〜。
あれをおふざけと捉えて一緒に笑えば良かったのか。スルーできない私の頭が硬いのか。楽しい時間を台無しにしたのは私なのか。
昔であれば多分、私はこんな風に自分を責め立てて、自分をもっと嫌いになって終わっていたと思う。
でも、今なら自分がHSP故に心を乱されやすいことを理解出来るし、こういうときのメンタルの取り扱い方法も知っている。本棚に全部ある。
今回の私に必要だったのは、怒りを受け流したりコントロールする方法と、
「自分は自分の味方でいていいよ」というマインドセット。
嫌な相手のためにどんなに真剣になっても、自分が気にした分だけ、相手も真剣に自分のことを気にしてくれるわけじゃないんだ、とハッとしました。
真剣になるのは、自分にとって本当に大事なことの為だけでいいんです。恋するように、寝ても覚めても、嫌な相手のことを考える必要はありません。
つらいときはどうしたって自分が一番つらいんです。それは利己主義ではありません。
耐えられなければ、ちょっと立ち止まろう。いつもいつも大丈夫だと言って、気を引き締めてばかりいられないし、いつもいつも強い人間でいることもできない。
誰もあなたの代わりにあなたを守ってはくれない。耐えがたい犠牲に耐えるのは、自分を虐待しているのと同じ。もう少し自己中心的になっても、もう少し無責任になっても大丈夫。
「馬鹿」と指を差され笑われたこと(改めて書くと幼稚すぎるな小学生かよ)もそうだけど、文には出来ないような非常にセンシティブな中傷も受けた。
アンガーマネジメントの方法や前述したストレスフリー大全のような、自分の中で怒りやストレスを小さくする技術はたくさんあるけど、私は今回自分の怒りの気持ちをしっかり認めて味方した。
相手は、客との距離を縮めたいがゆえにそのような言葉遣いだったかもしれない。10何年そのようにやってきて、みんなノリ良く応えていたのかもしれない。けどそうだからといって私が傷ついたことがなかったことにはならないし、極端にいうならばそれは「いじめっ子はいじめではなく、じゃれあっているつもりでした」理論じゃないか。
だから私は怒っていい。自分の気持ちに正直になっていいと思っている。
結局、そのツアーを統括している施設の連絡フォームに事の詳細を送った。怒りをぶつけるだけにならないよう、事実を冷静に文章にするよう努めた。言われた言葉を一言一句そのまま書き、改善を求めた。
翌日、マネージャーと名乗る男性からお詫びの返信が来た。
毎日いろんなことがあるけども。
人それぞれ他人にはわからないしがらみや立場があって、自分に正直に生きれないことも多いだろうけども。
最後の味方だけは手放さないでいようねという備忘録。
長々と読んでいただきありがとうございます。
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