8月の読了
黄色い家
Audibleにて読了。
責任感が強い主人公の花(はな)、ホステスとして働く母、優しくて面倒見が良い母親の友達の黄美子(きみこ)さん、夜の街で出会った友達。
みんなどこかしら何か、その歳になるまでに身につけるべき様々な価値観や倫理観たちが少しずつ欠如しているような空気感で終始心がヒリヒリした。
お金の話になると決まって「そんなの難しくてわからないよぉ」と、スルッとかわす黄美子さん。朗読の方の話し方が本当に秀逸で、ヘラヘラとはしていなく、でも真剣に困った様子もなく、ただ将来にお金を残したり計画的に使ったりすることまで脳の容量が間に合っていないような、黄美子さんのいわゆる「グレーゾーン」な人格であることをとてもよく表しているなと思った。
花を終始苦しめるお金の問題。母親にお金を無心されるシーンは本当に心が痛くって苦しかった。娘への気まずさをどうにか誤魔化すための、甘えるような声が余計に。
「親にお金を求められる」そんなことがあるのかと思い、経験したこともなければこの先もないと思っている私は恵まれているのか、上から目線でこの物語を体験しているのかと思うとさらに苦しい。でも「普通の家庭に生まれてよかった」そう安堵する自分が確かにいて。
そういったことを考えながら聴き込んでいると「何であなたは生まれた時からそっちで、私がこっちなの。私が何をしたっていうの」と花に睨まれているような気持ちになった。
圧倒的に頼れる大人が圧倒的に少ない、かつ「社会的に信用に足らない大人」たちの中で生まれ育つってこういうことなのかなと悲しくなる。
花は花なりに必死に頑張って、10代ではすべきではない、本来する必要のない苦しみや苦労や悲しみをたくさん味わっている。
こういった若者を、本来の世界に引き上げるにはどうしたらいいのだろう。
ランドセルを「買ってくれなくて」と一人リュックサックで登校していた、若い派手なお母さんと小さい妹と3人暮らしだった小学校の同級生を思い出しながら聴き入った。
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パリでメシを食う。
「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」の著者、川内有緒さんの著書。
パリに住む日本人10人の人生の足跡。
一人ひとりにすごいドラマがあって、でもそれは全て必要だったし丸ごと取り込んで昇華していいスパイスだったよ、と笑えるようなそれぞれのゆるくおおらかな生き方に、こちらの肩の力が抜けて元気をもらえる。
淡々とルーティーンの生活をして狭い価値観で生きている中に、「もっとゆるく考えなよどうにかなるよ〜〜〜」と言いながらふっと気持ちいい風を吹き込んでくれるような一冊。
いずれは絶対訪れたいパリ。
その空気感を少し先取りできた感じもしてよかったな。
あなたの「しんどい」をほぐす本
HSPに効くような読み物は韓国発のものも含めて色々読んだけど、この本は群を抜いて私にとてもしっくり来た気がする。
休むことが怖くて、何か生産したり達成していないとその日一日に価値を感じられない性格。
それでも週に1回くらいは帰宅して「無理動けない」みたいな日があって。その度に罪悪感で落ち込みまくって翌日超頑張るみたいな日なのだけど、これを読んで「何もしたくない」ときって何もしなくていいの…?と結構真剣に思った。
まずはお風呂にスマホを持ち込むのやめよう。ぼーっとすることに集中する練習をしよう、と思った。
もうひとつ。私は他人の「あっ・・無理です」となるハードルが本当に低くて、苦手な人が多い。と思っている。
あまり関わりたくない話したくないと思っている人にも周囲は仲良く話して飲みに行ってなどしていて、自分はなぜこうにも心が狭いのだ…と悲しくなる日々なのだけど。
苦手な人がいてもいい、そして苦手なまんまでいい。会ったら挨拶する。滞りなく仕事を進められるような会話さえしていれば十分。それさえできれば、愛想を振り撒いたりこちらから歩み寄る必要もないんだなと改めて気づかされた。
「嫌われる勇気」読み直すか・・・
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