バロック様式の螺旋階段から学ぶ未来
みなさんはバロック様式をご存じですか?
バロック様式は、16世紀から18世紀初頭にかけてヨーロッパ各国に広まった美術・建築・文化の様式で、曲線や楕円を多用した、豪華な装飾が特徴です。
建築では、バチカン市国のサンピエトロ大聖堂やフランスのベルサイユ宮殿が代表的で、過剰な装飾を比喩したポルトガル語「barroco(歪んだ真珠)」がバロックの語源とされています。
そんなバロック様式がここ日本でも観れるのをご存じですか?
たとえば東京では、旧岩崎邸、法務省旧本館、赤阪離宮、東京国立博物館、日本銀行本店、大阪では大阪府立中之島図書館、大阪市中央公会堂、日本銀行大阪旧支店などがあげられます。
ということで、いいお天気もあり週末に淀屋橋に出向いてきました。
訪れたのは、大阪市中央公会堂、中之島図書館の2か所です。
大阪市中央公会堂は建物の前をふらりと通ったことはありましたが、建築物の見学は今回が初めて。
建築物のデザインの美しさはもとより、正面玄関が地下一階にあることには驚いたものでした。(なぜ?)
また、中之島図書館は、実はその存在すら気づいていませんでしたが、「ここはローマ?!」そんな錯覚を覚えそうな4本の丸柱と三角形のペディメントがヨーロッパの雰囲気を醸し出していました。
(こちらはなぜ2階が正面玄関?)
こうした建築物の外観の美しさもさることながら、天井のドームや階段の謎めいた曲線にもとても興味を惹かれます。
ちなみに、今回の2つの建築物の階段は曲線的ではあったものの、螺旋階段ではありませんでしたが、ヨーロッパのバロック様式には螺旋階段が多用されていますね。
それは渦巻きであり、宇宙の広がりにも似ていますよね。
そこで思い出したのが、ヘーゲルの「螺旋的発展の法則」です。
「物事の変化や発展、進歩や進化は、あたかも螺旋階段を登るように起こる」とヘーゲルは語っています。
たとえばファッションの流行を見てもそれは明らかですよね。
流行のファッションはぐるりと回って、しかし、一つ前の流行とは決して同じではなく、なにかしらのアップデートが行われていますよね。
であるならば、次に流行る(起こる)ものがどんなものかが予測できるということでもありますね。
温故知新。古きをたずねて新しきを知る。
そういう意味でもこうした歴史ある建築物を保存することの大切さ、そうした場所を時々訪れ、未来を考える時間を持つことの大切さをしみじみと思う今日この頃です。