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▶建築レポ #53『旧三桝楼』
こんにちは、véritéです。
洋館巡りを始めてから「和洋折衷建築」や「擬洋風建築」なるものを知りました。
「和洋折衷建築」とは、近代日本において建てられた和風建築と洋風建築の要素を意図的に折衷した建物で、「擬洋風建築」とは、木造日本建築に西洋建築の特徴的意匠や、時には中国風の要素を混合した建物とあります。
今回は「和洋折衷建築」の一つである「旧三桝楼(橋本の香)」を訪れました。
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「旧三桝楼(橋本の香)」は、京都・橋本に位置します。
京都・橋本は、江戸時代(1619年)に京街道の宿場が整備されてからは、淀宿と枚方宿の中間にある宿場として栄え、明治10年(1877年)には遊廓が設置され、昭和12年には貸座敷が86戸、芸妓3名、娼妓675名が在籍したと言われています。
「遊郭」とは、江戸時代に存在した「遊女」を集めた場所のことで、京都においては、五条楽園や伏見の中書島、撞木町(しゅもくちょう)にありました。
昭和33年(1958年)の売春防止法施行により廃止となり飲み屋や旅館へ業態変更。
時代は令和になり、老朽化から解体される建物が増えましたが、遊廓の面影を残す街並みとなっています。
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「旧三桝楼(橋本の香)」は、そんな遊郭のひとつで、美しい姿を残しています。
華やかさと非日常の演出のために設置されたカラフルなステンドグラス。
千客万来を願った鯉(「来い?」「恋?」)の意味を込めて彫られた欄間、そして京都生まれの泰山(たいざん)タイル(モザイクタイル)を使った「洋風」装飾が、「和」そのものの外観や内観とコントラストをなしていて面白い。
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しかし、遊廓は負の歴史であり、残すべきでない、残したくない歴史と捉える立場もあります...
ちなみに橋本遊郭は、1982年公開「鬼龍院花子の生涯」で使われた場所なのだとか。
いずれにしましても、建物は一度取り壊されると元に戻すことはできません...
負の歴史と歴史的建造物の保存...
とても難しい問題ですが、負の歴史としてなかったことにするのではなく、同じ過ちを繰り返さないための施設として存続できたらいいですね✨