▶建築レポ #64 船岡温泉
こんにちは、véritéです。
先日「船岡温泉」を訪れました。
船岡温泉は、京都市北区にある公衆浴場で、脱衣場や浴場などが国の登録有形文化財に登録されています。
創業者は、庭石商・大野松之助(1873〜1955年)。
船岡温泉は、かつて料理旅館「舟岡楼」として、1923年(大正12)に建築され、日本初の電気風呂を設けました。
戦中戦後に窮乏し、1947年(昭和22)、一般公衆浴場(普通公衆浴場)として営業を再開。
通りに面した石積には鞍馬の名石が使用され、脱衣場には様々な彫刻があしらわれた漆塗り格天井、葵祭や、賀茂競馬、今宮神社のお祭りの様子などをモチーフとした木彫りの欄間、色鮮やかなマジョリカタイルなどの豪華な装飾で溢れ、また、脱衣場と浴場を結ぶ渡り廊下は、千本鞍馬口交差点付近にあった菊水橋の部材を移築したものが使われ、鯉が泳ぐ池も。
浴場は、薬草風呂、高温風呂、ジェットバス、電気風呂、水風呂、打たせ湯、サウナ、露天風呂などが備えられ、中庭に面した露天風呂は、檜風呂と岩風呂があり、日替わりで男湯と女湯が入れ替わります。
特筆すべきは、創業当初は煉瓦造であったこと。
ちなみに「舟岡楼」の一部である旧理髪店は煉瓦造は現存✨
(このあたり、煉瓦の遺構がチラホラ~)
いずれにしましても、見どころ満載の船岡温泉。
こうした美しい建築物が残されていることは有難く、この先もずっと大切に保存されることを祈るばかりです。